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幼なじみの奏と怜が帰った後、美花は入浴を済ませると、さっそく自室で、スマートフォン用の楽曲制作アプリ『スマートミュージック』を使い始めた。
どんな曲にしようか、と考え抜いた末、彼女はピアノ曲を作る事にすると、音色をグランドピアノに設定し、降ってきたメロディを打ち込んでいく。
まずはワンフレーズだけ作り、次は伴奏部分を入力。
指先で器用に画面を滑らせていき、次は、ピアノの音を持続させ、響きを豊かにさせるサスティンペダルの入力モードに切り替え、音が濁らないように調整して打ち込んだ。
取り扱い説明書に時々目を通し、黙々と入力作業を進めていく。
「今日はひとまず、ここで終わりにしよう。それよりもっ!」
美花は、スマートミュージックを閉じると、パソコンを起動させた。
奏と恋人の怜は、元吹奏楽部で、奏はトランペットを、怜はサックスを吹いていた事を、ケーキを食べながら聞かされた。
『結婚祝いは、曲を作ってCDにしてプレゼントしよう』と、美花は報告を受けて、真っ先に思った事である。
「れいチェルはサックスを吹いてたし、曲を作るならサックスメインのバラードがいいかなぁ?」
美花は、パソコンのDAWソフトを立ち上げ、新規楽曲作成の項目をクリックする。
音色を、ソプラノサックスとアルトサックス、ベース、エレクトリックピアノ、ドラムに設定した。
確認のため、ひと通り選択した音色を鳴らしてみる。
「う〜ん…………曲のどこかで、キラキラ感も欲しいなぁ……」
打楽器群の音色から、ウィンドチャイムを追加し、使用する音が、ようやく決定。
「うわぁ……ワクワクしてきちゃったよぉ……」
気持ちが昂って曲を作ろうと思うのは、彼女にとって久々の事だった。
二人の結婚式の日程は、まだ決まってないみたいだけど、早めに準備をしておいた方がいい、と美花は考える。
親友カップルは、ガチの音楽経験者でもあるし、しかも、奏は現役のピアノ講師。
自分がとことん納得いくまで、音楽を作り込みたいと思う。
けれど、幼なじみの友人が結婚する事を聞き、嬉しいと思う反面、奏が遠い場所へ行ってしまう、という寂しさも感じてしまった。
「私なりの祝福の気持ち、頑張って音楽で表現しよう……」
美花は、モニタリングヘッドフォンを繋いで装着させると、パソコンの画面と向かい、旋律を打ち始めた。