テラーノベル
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あの遊びの次の日、「 昨日は遊びすぎて疲れたから今日は休も〜」と思っていたのだが教時から連絡を入れられた。朝8時、起きてすぐだった。
美雪「今日も遊ぼ!10時に駅前ね!」
「断るってできたりしない?」
美雪「なんか予定でもあるの?」
「昨日遊びすぎて疲れてさ….」
美雪「よしっ!遊ぶの決定!10時に駅前だからね!」
本当は嘘をついて断ろうとしたが少し気が引けたのでやめた。
8月17日、人生で初めて二日連続で友達と遊ぶ日だ。
誘いを断らなかったのはきっと昨日が楽しかったからだろう。教時のお陰で友達が4人できた。とっても嬉しい。最高の気分だ。
「ほんと良い奴だな。」
?「誰のこと?」
「うわぁぁぁ!!!びっくりした!さば姉入ってこないでよ!」
?「ノックはしたし、変な 音もしなかったからいいかなーって」
「変な音ってなんだよ!ってか夏休みの昼間からそんなことするほど暇じゃないわ!」
この今僕の目の前にいるのは早苗僕の実の姉、通称さば姉、なぜさば姉なのかと言うと、お母さんいわく僕が小さい頃お魚が好きで「お姉ちゃんに任せとき!!」と小学二年生でお父さんと釣りに行き、生きている鯖を取ってきたことが始まりらしい。その時はお母さんもお父さんも大爆笑で写真を撮っていたらしい。その時の写真を今でも玄関に飾られているため、かなり恥ずかしい。
早苗「なに?着替え出して、どっか行くの?」
「友達と遊び行ってくる。」
早苗「もしかして….好きな子!?」
「違う。鬱陶しいから出てって」
早苗「ちぇーつまんないの〜。….でも良かったよ。あんたに友達ができて。」
「余計なお世話だよ。」
さば姉がなぜ心配しているのか、 それは僕の中学時代になる。僕は中学時代、友達がいなかった。
もちろん、この性格のせいだ。自分より上のものを認めず、下のものは徹底的に見下す。
教時には変わった。と言われたが本質はどうなのか分からない。とにかく、そんな性格のせいで友達が1人も作れず、家に帰ってきてはすぐ部屋に引きこもり部屋で1人泣いていた。
バレていないと思ったが、姉には全てお見通しらしい。
早苗「あんたが楽しそうでよかったよ」
「うん。最近は楽しいよ。」
それだけ返答した。さば姉を無視することはあまりしたくない、というか絶対したくない。
うざいと思うことはあるが僕にとっては唯一の支えだ。本当最高の姉を持った。
世の中の姉弟はどうなのかは僕は知ったことじゃない。ただ姉というものは僕にとっては最高の存在だ。
そして、姉には苦労して欲しくない。姉は高校時代、僕が弟にいたせいで彼氏ができず友達も少なかった。それでも姉は「あんがと!!あんたがいたお陰で青春楽しめたわ!!」と卒業式の後に言ってくれた。
僕はこの時、初めて人前で涙を見せた。
それを今でもバカにされるのは気に食わないがとにかく姉は最高、ということだけを伝えたい。
「やばっ!時間めっちゃ経ってんじゃん!!」
早苗「遅刻してたら恋愛対象から外れるぞー」
「まじ!?早く行かないと!!って違う!!ただの友達だから!」
さば姉は下卑た笑みを浮かべながら僕を見送ってくれた。
10時ピッタリ駅前に着いた、ギリギリだった。
「ごめん!遅れた」
息を乱しながらつく。
美雪「もー待ったんだからね!でも、時間ピッタリ、 セーフだからよしっ! 」
「ありがと、ほんと優しいね」
美雪「今日は….デート!!」
「…..はぁ!!?」
一瞬固まってすぐに顔を赤くする。
「言い方変えてるだけだろ!ただ遊びに来ただけ!」
美雪「これだけは譲らないから」
優しさの中にある、謎に真剣な声で言ってきて認めざるを得なかった。渋々デートであることを認め人生初のデートが無理やり?始まってしまった。
「その〜どこ行くの?」
美雪「秘密です。」
「いつも通りね」
美雪「うん!もちろん!」
僕たちは駅から少し離れたカフェに入った。
しかし、カフェに入るのは教時の予想外でなんか美味しそうだから入ったらしい。気まぐれすぎる。僕は少し呆れていたが了承した。
「美味しそうなものいっぱいあるね。」
美雪「当たり前でしょ、この私が選んだんだから。」
「何頼むの?」
美雪「このパフェ、めっちゃ美味しいって私の勘が言ってる。」
「不確定なものに頼りすぎでしょ….」
美雪「私ね、運も実力のうちって言葉大好きなの、そりゃあ努力をした方がいいことはある。でもさ、努力だけで全て何とかできるって訳では無いでしょ?だから、そこのプラスで運、それが大事だと思うの。」
僕はこの言葉に少し心がときめいた。一理ある。僕は常に実力主義だと思っていた、いや、実際に現実は実力主義なのかもしれない。それでも、その努力だけにはどうにもできないこともある。教時は僕にそれを教えようとしてくれているのだ。
「で、それが勘と何に関わるんだ。」
美雪「それは….なんとなく!自分がやりたいと思ったことやった方が楽しいじゃん?」
「そうかもな….じゃあ僕も勘で頼もうかな、じゃあ、このパフェ」
美雪「….うん!いいね!」
僕は勘に頼る生活も少し大事にしてみようと思った。その方が実力だけに囚われず少し気が楽になる気がするからだ、ただ、これは努力をしないという訳では無い。ただ、人生をあまり変えない、ほんの少しの選択を悩まず軽くしよう。それくらいの感覚だ。
デートはその後、公園に言って話したり、気まぐれで図書館に行ってみたり、結局、教時が決めた秘密のデートプラン。とやらは知れなかった。
「今日はありがとな、断ろうとしたけど。来てよかった、楽しかったよ。」
美雪「私も楽しかったありがとね。私の秘密のデートプランは次回にお預け!今日伝えたいことは伝えたから….あんまり無理しないでね、誰も打たれた日のことは気にしていないから」
教時は気づいていた。僕があの日打たれたことを内心気にしていることを、なぜバレたのかは分からない。それでも教時は自分なりの方法で僕を慰めようとしてくれた。それだけですごい嬉しかった。
「ありがと。気にしないように頑張る。」
美雪「….うん。また、投げるの楽しみに待っとくよ。」
僕はこの時決めた。あの日自分と誓った約束。次に呼び捨てをするのは人生をかけれる覚悟を決めた時だと。
「今日はありがとな!美雪!」
僕は美雪に人生をかけれる覚悟が決まった。
コメント
1件
おお、第5話読んだよ!今回は美雪ちゃんとのデート回か〜って思ったら、ちゃんと主人公の心の変化が描かれてて良かった! 特にさば姉との会話シーン、めっちゃグッときたわ。中学時代に友達いなかった過去を「楽しそうでよかった」って見守ってくれる姉の存在、最高すぎる。あと美雪ちゃん、主人公が打たれたこと気にしてるのちゃんと見抜いてて、デート通して無理に励まさず「気にしないでね」って伝えるの、大人だな〜って思った。 最後の「美雪!」って呼び捨てにしたとこ、完全にグッときた。
#異世界転移
花月夜れん
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