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亜佑美の「一人が怖い」って気持ち、すごくわかるな……。朝陽くんの「心配なんです」って一言に全部の優しさが詰まってて、胸がぎゅってなったよ🥀 彼女のことを考えて、こっそり準備までしてくれてたなんて……そういう細かい想いがじわじわ染みる。同棲が新たな一歩になるなら、この先がちゃんと温かくなりますようにって願わずにはいられないね🤍 二人の距離がまた一歩縮まって、読んでるこっちまでほっこりした🌙
管野アリオ
733
53
#大人ロマンス
桃下結衣
208
重田💋(omoda)
497
突然の提案に戸惑いはあったけれど、正直に言えば一人になるのが怖かった亜佑美。
アパートへ戻ればこれまで通り一人で過ごさなければならない。
夜、一人で玄関の物音に怯えるかもしれない。
外から誰かに見られているのではないかと不安になるかもしれない。
そんなとき朝陽が傍にいてくれたら、そう考えると不思議なくらい心が軽くなった。
「……本当に、いいの?」
「もちろんです」
「……ありがとう。よろしくお願いします」
「はい! それじゃあ早速部屋を探さないとですね!」
「ふふっ……そうだね」
こうして二人は同棲することを決めた。
事件を機に始まることになった新しい生活。
それは亜佑美にとって失ってしまった日常を少しずつ取り戻していく為の新たな一歩であると共に、朝陽にとってもこれからの未来をきちんと考えるきっかけになった。
「まずは新居を探すにあたって何を重視するか候補をあげてみましょ」
「そうだね……出来れば、セキュリティーはしっかりしているところがいいかな」
「それは勿論、当たり前です! 防犯面は特に」
「お互いに個室がある方が良いよね」
「そうですね。でも……寝室は、同じだったら嬉しいなって……俺は思ってます」
「……っ!」
「あ、あの! 別に変な意味じゃなくて……別々よりも一緒の方が安心だなって思って……亜佑美さん、あまり眠れてませんよね? 魘されたりしているときに傍に居られたらって思って……」
「……ありがとう。その、ね、本音を言うと私も寝室は一緒がいいなって……思ってるの。だってせっかく同棲するんだもん……一緒がいいよね」
「はい! それじゃあ個室は二つで、一つは亜佑美さんが使ってください」
「え!?」
「女性は個室がある方が何かと便利じゃないですか?」
「いやいや、無くても困らないよ? メイクや着替えなんかは脱衣場ですればいいし」
「うーん、それじゃあ個室は一つでもいいってことで、条件に見合うところで個室を増やしても値段が変わらなさそうなら二部屋あってもいいかなってことにしましょうか。あればあるで便利だとは思うので」
「そうだね。来客用の部屋にしても良いもんね」
「確かに。いやでもそれだと陽向が頻繁に来そうなので来客用は却下しましょう」
「ふふ。まあ朝陽くんがそう言うなら構わないけど、陽向くんが来てくれても私は全然構わないから誘ってあげてね」
「ありがとうございます」
こうして二人は新居に求める条件を一つ一つあげていく。
いくつか候補が挙がったところで、どの辺りに住むのがいいかを話し合い始めた。
「私と朝陽くんの職場の中間くらいの場所で探せばいいかな?」
亜佑美がそう提案すると朝陽は少し考えるようにしてから首を横に振った。
「いや亜佑美さんの職場近くにしましょう」
「え? でも……」
「俺は車でもバイクでも通えますから亜佑美さんの職場に近い方がいいです」
「そうかもしれないけど……」
朝陽は一瞬だけ言葉を選ぶように視線を落とした。
「……心配なんです」
「え……」
その一言に亜佑美の胸が小さく揺れる。
「今回の件はあの男が亜佑美さんを見かけたことから始まったじゃないですか。もちろん、会社から近くに住むからって全部を回避できるわけじゃないですけど、少しでもリスクは減らしたいんです」
そう言って朝陽は亜佑美を真っ直ぐに見つめる。
「それに、会社から近い場所なら北丘さんが送ってくれるって言っていたので。お願いすることもできますし」
「え? 北丘くんに話したの? いつの間に?」
その問いに朝陽は少しばつが悪そうに笑った。
「……その、同棲のことは少し前から考えていたので亜佑美さんが了承してくれたらすぐに動けるようにしておこうと思って。それで北丘さんにも相談していました」
まさかそんなところまで準備してくれていたとは思わなかった亜佑美。
自分が何も知らずにいる間にも朝陽は自分とのこれからを考えて出来ることを一つずつ準備してくれていたのだ。
「……すみません。勝手に話してしまって」
申し訳なさそうに謝る朝陽に亜佑美は慌てて首を横に振った。
「ううん、そんなこと……そこまで考えてくれてたなんて知らなかったから驚いただけ。ありがとう朝陽くん」
「お礼なんてそんな。俺は彼氏なので亜佑美さんの安全を考えるのは当然のことですから」
朝陽は当たり前のことを言うように穏やかな笑みを浮かべた。
その言葉がじんわりと胸に染みていく。
いつだっての自分のことを第一に考えてくれる朝陽の優しさが嬉しくて亜佑美の胸は温かなもので満たされていった。