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木の温もりが感じられる小さな店内。 カウンターには手書きのメニュー、棚にはレトロなコーヒーカップが並ぶ。
ミィコは外の景色をぼんやり眺め、注文したオレンジジュースを待ちながら、今日の出来事を振り返る。
映画『風の冒険者たち』の主人公たちの絆が、みんなを思い出させた。
「みんなどうしてるかなぁ」
ひーちゃん、タルタルさん、ナナシくん、ヨミ姐――それぞれの顔が脳裏に浮かんでは、心の奥で柔らかく灯る。
ミィコはトートバッグから、今日の戦利品のひとつ――ネコのモチーフのヘアピンを取り出した。
「これ、明日の配信でつけたら、みんな喜んでくれるかな?」
ふふっと笑みがこぼれる。
そのとき、運ばれてきたオレンジジュースの下に敷かれたコースターに目が留まる。
――小さな木のそばで、太陽に向かって咲くひまわりのイラスト。
コースターの端には、小さく「佐藤悠真」と作者名が添えられていた。
「……え、なにこれ…めっちゃ可愛い…」
思わず口をついて出た言葉。
その絵の中で咲くひまわりは、どこまでもまっすぐで、どこかいじらしく、そして強かった。
気づけばミィコは、そのひまわりに目を奪われていた。 胸の奥に残っていた鋭い棘が――ふっと、少しだけ和らいだ気がした。
かつて絶望の中で下を向いていた自分。 それでも、また歩き出したあの日。
「この絵…なんか、すごく心に響く――」
ミィコはそっとコースターを胸に当てた。 痛みが完全に消えたわけじゃない。
でも、確かに今―― あの棘は、もう自分を刺し続けてはいなかった。
胸の奥に、静かであたたかな光が灯る。
まるで、自分自身の再出発をそっと応援してくれているような――そんな、春の午後だった。
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