テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
24話 800スポット クラークおばちゃんと駄菓子屋
800スポット。
入口が広い。
天井も高い。
色のついた箱が、
壁みたいに積まれている。
ここは、
最大級の駄菓子屋。
リカは、
少し大きめの上着。
袖が指先にかかる。
腰には、
電子マネーとお守り。
歩くたび、
軽くぶつかる。
隣には、
髪を後ろでまとめた友達。
薄い上着。
手帳を脇に抱えている。
もう一人は、
派手めな服。
キーホルダーが
胸元でじゃらじゃら鳴る。
通路を進む。
飴。
ラムネ。
小さなチョコ。
棚が長く、
終わりが見えない。
「迷うね」
誰かが言う。
リカは、
小袋をひとつ取る。
軽い。
レジ。
カウンターの向こうに、
クラークのおばちゃん。
前掛け。
少し丸い背中。
声はよく通る。
「はい、480sやで」
リカは、
スポット$で払う。
おばちゃんは、
一度うなずいて、
引き出しを開ける。
カラン。
小さな音。
包み紙に包まれた飴。
「これもな」
差し出される。
「チップみたいなもんや」
リカは、
一瞬だけ迷って、
受け取る。
手のひらに、
軽い。
「ありがとう」
声は、
小さめ。
外に出る。
袋の中身は同じ。
でも、
飴がひとつ増えた。
番号でも、
金額でもない。
ただ、
もらった。
それだけで、
帰り道が
少し明るく感じた。