樹くんの退院に付き添って、そのまま向かった先は司さんのお店だった。無理やり連れて来られた樹くんは店の入り口の前で立ち止まっている。
普段の樹くんは常に無表情で、感情を読み取ることなんて難しいのに、この時の樹くんは見るからに機嫌が悪い。横に立つ私は、恐る恐る顔色を窺った。
「ここ、司さんのお店なんだ。生春巻きがね、とっても美味しいんだよ……」
「……」
樹くんは私の方を一度も見ることなく、逃げるように店の中へ入って行った。そんな樹くんの態度に、足枷でも付けられたみたいに身体が一気に重たくなる。
分かっている。当たり前だ。
日常的に繰り返された、あんな暴力に耐えてまで守りたかったものを私は奪ってしまった。
そればかりか、襲い掛かってくる男から、私を庇ってくれた樹くんの左目には殴られたときに出来た青痣が今も痛々しく残っている。
全部、私のせい……。
「樹くん……私、」
「みや*********
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