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「なんかいい香りがする」
男性的な低い響きの声が聞こえたのは耳のすぐ側で、急な距離感にバクバクと心臓が荒ぶる私をよそに、香りの元を探すようにクンクンと嗅ぎ回る涼。女性の背後から急に近づくなんて「セクハラだ!」と、この男の頬を殴ってもいい状況だと思う。
だけど匂いの元を探ろうとしている涼の顔は真剣で、私はただ証拠を探す涼の邪魔をしないようにじっとしていることしか出来ない。
「あ」
「ッ」
身体がびくっと震えたのをなかったことのように振る舞う。涼が何も考えてなくて、今みたいなことを天然でやっているとしたら、これほど恐ろしいことはない。それに、そんな涼の行動に緊張していただなんて、絶対に知られたくない。
「分かった、これだ」
そう言って涼が指差したのは、さっき洗濯機の中からランドリーワゴンへと出したばかりのバスタオル。まるで、それを初めて見るかのような表情を******************
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