この日はいつもの雨とは違っていて、厚い雲に覆われた空がゴロゴロと唸っては、強い風と共に激しい雨を降らせていた。洗濯物をビニールで包み、傘を両手で持ちながらコインランドリーへ走ってきたのはいいけれど、みるみるうちに外は荒れた空模様になっていく。
「よし、今日はこれに決めた」
こんなどんよりとした雨の日こそ、テンションの上がる香りに仕上げたい。常にいくつかの洗剤を入れた籠バックの中を覗き込んで、毎日のお洗濯に使うにはちょっとだけ高級な柔軟剤を取り出す。
「あれ?それ見た事ないやつ」
「これね、ちょっといいお値段の柔軟剤なんだけど、今日みたいに空が荒ぶっている日は、これで上品で贅沢な香りに仕上げて気分を上げるの。そしたらなんだか雨に勝った気になるでしょ?」
当たり前のように私の隣に立った涼は、人の顔をじーっと見つめながらそのまま固まってしまった。私、なんか変なこと言った***********************
*********************
***********************
*******************
***************
********************
**************
**********
コメント
1件