状況が整理できないまま、ゆっくりと麻衣の頭の下から腕を抜き、身体を起こす。
手をついた弾みでスプリングが軋む音がして、自分と麻衣が寝ているここがベッドの上だということを理解することが出来た。でもまだ頭が起き切っていないのか、記憶の前後が繋がらない。確か昨日は麻衣とデートをして、それで……。
規則正しい寝息が聞こえ、チラリと横目で隣を見る。
(……現実、だよな?)
いつもは1人で寝ているベッドの上に、愛しい人の姿がある。Tシャツだけでは心許ないだろうと貸したはずのパーカーは、何故かベッドの下に無造作に脱ぎ捨てられて、サイズの大きい俺のTシャツを身に纏い、無防備な姿の麻衣が視界に飛び込んできて俺の思考は一瞬停止する。
「……良い」
って、違うだろ。馬鹿野郎。
今はこの状況を整理することが優先事項だ。誘惑を遮断すべく、目を閉じて記憶を呼び起こす。
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