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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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ずっと幸せだった。

幸せだったはずなのにその幸せは一瞬で崩れてしまった。


『お母さん、お姉ちゃん、行ってきます』

「えぇ、行ってらっしゃい」

「行ってらっしゃい〜!」

2人とも、笑顔で俺を見送ってくれる。

俺も、笑顔で家を出る。

なぜなら今日は彼氏とのデートだから。

でもお姉ちゃん達はそのことを知らない。

伝えてないから。

何故かと言うと。

俺は15歳で彼は24歳だから。

年の差くらい…って思うかもしれないけど、それでも、身内に話すのは少し気が引けた。


『……え?お互い家族に関係を話す…?』

「ああ、ほら、俺24だろ?親から結婚はまだかってうるさくて…。相手がいるって教えてやったら少しはマシになる気がしてさ…。もちろん、結花が嫌なら構わない。」

『……ううん、大丈夫。言おっか』

少し、迷いはあったが彼氏の友稀のために承諾した。

この後どうなるとも知らずに──


『お母さん、話があるの』

その日の夜、俺はお母さんに付き合ってることを伝えようとした。

「あら結花、どうしたのかしら?」

『俺ね、付き合ってる人がいるの。』

「…それって、男女の関係でってことかしら?」

『うん』

「…まあ、結花も15だものね。そういう相手くらいいてもおかしくないわよね…。ところで、どんな人なの?同じクラスとかなのかしら?」

『いや、そうじゃなくて…。付き合ってる人、社会人で、9つ上なの』

「……え?……今お母さん、聞き間違いしたみたい…もう一度言ってくれる?」

『彼氏、社会人で、24歳。私の9つ上』

「……本気で言ってるの?」

『本気だよ』

「弄ばれてない?」

『お互い、本気だから』

「……」

そのままお母さんの反応を見てたら…

「……いわ」

『え?』

「許さないわ。その交際は」

『…え?なんで…?』

「9つ上とか頭おかしいんじゃないかしら。一回り近く違うのよ?それにあなたは学生なの。汚らわしい大人と付き合うなんてどうかしてるんじゃないかしら」

『ちょ……汚らわしいって……』

「だってそうじゃない。どこの誰と今まで付き合ってきたのかわからないのよ?そんなのじゃあなたまで汚れてしまうわ」

『友稀はそんな人じゃ…!』

「いい?男ってのは本性どんなものかわからないのよ。今はいい顔してるのかもしれないけどそのうち裏の顔見せるわよ。とりあえず、今すぐにでも別れなさい。」

『っ……』

認めて貰えないなんて思わなかった。

それでも、別れる気なんてなかった。


そして次の週、またデートの日がやってきた。

『行ってきます』

「あなた、まさかまだ別れてないの?」

『……』

『違うよ。もうあの人とは別れたから。今日は友達と一緒に遊んでくるの。』

「……」

「そう。それならいいわ。楽しんでらっしゃい」

『うん、行ってきます』

バタン

『……っ』

嘘を吐いてしまった。

でも、そのくらい私は友稀と一緒にいたかった。

そして俺は待ち合わせ場所へ向かった。


「あ、結花。待ってた。」

『友稀。待たせてごめんね』

「大丈夫。ところで、ご家族に話せた?」

『っ……!う、うん。話せたし、認めて貰えたよ。』

「そっか。よかった。俺の方も、認めてくれたよ」

『よ、よかった…』

すごくモヤモヤした。お母さんにだけじゃなく、友稀にも嘘を吐いてしまった。


そしてそれからしばらく経って、デートから帰ってきた日のこと。

『ただいまー』

「……結花」

『あれ?お母さんどうしたの?』

「今日、どこに行ってたの?」

『え?だから友達と……』

「あの男が友達だと言うの?」

『……!』

どうやら友稀と会っているところを見られたらしい。

『それ、は……』

「まだ別れてなかったみたいね。こんなに私が言ってるのに。まさかもうあなたも汚れてしまったの?」

『っ…だから友稀は汚れてなんか…!』

「汚れた子なんて要らないわ。出ていきなさい。」

『っ……』


言われるがまま家を出た。

そして、友稀に連絡した。

[今から、家行っていい?]

すると、こう返ってきた。

[ごめん、今からは無理]

『……』

[だよね、ごめんね急に。]

こう送信すると俺は泣きながら走った。

涙で前が見えなくなりながら。

走って走って走り続けた。

すると──

キキィー!!

視界が白くなった直後暗くなった。


『…んん…ここは…』

「お、起きたか」

『えっ、ちょっ…?!』

私は目の前にいた男性2人に驚いて後ずさりした。

「わ……驚かせちゃったみたい…」

「名乗った方が安心できるかな。俺は星川悠希。」

「俺は冬本澪だよ〜」

「名前、言えるか?」

『ふ、吹闇結花…』

「結花ちゃん!よろしくね!」

澪と名乗った男性が言った。

「おー!その子起きたみたいだね!」

すると元気な女性の声が聞こえた。

『え、えと…』

「おい、名乗れ」

悠希が女性に言う。

「えっとねー、私は月影未彩!よろしくね〜!」

『ふ、吹闇結花です…』

「ところで結花、何があったか話せるか?」

『…実は──』

俺は全て話した。

大好きな彼氏と付き合ってて、家族にそのことを伝えようとしたら母親から反対されたこと、そしてそのことを彼氏に伝えられなかったこと、そして別れていないのがバレて家を追い出されたこと……

「なるほど。」

「でも彼氏と離れちゃったんだよね…それちょっと辛いかも…」

「でももしかしたら待ってたらその彼氏くんもこっち来たりして!」

「能天気すぎだ」

「何はともあれ、吹闇結花さん、貴女を麗流楼水に歓迎します!」


次の日、結花に連絡を入れた。

[昨日はごめん。]7:30

[怒ってる?]12:34

[頼む、既読だけでもつけてくれ…]18:42

[結花]19:12

[大丈夫?]20:17

[何かあるなら話して欲しい]21:03

[結花…?]22:58

一日、連絡を入れたけど一切既読がつかない。

すると、こんなニュースが流れた。

「えー、再び楼鏡市内で行方不明者が増え、現在750人以上にも──」

『……』

『まさか、結花……』

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1

コメント

3

ユーザー

年の差13歳のうちの両親はいったい…←

ユーザー

なんかBLみたいに見えちゃうけど主人公結花ちゃんはただの俺っ子女子です byるいの

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