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龍河の話を聞き終えた信愛は、大きく目を見開いた。
「え!?」
龍河は微笑を浮かべながら、一同を見渡す。
「どうだ?悪い話じゃないと思うんだけどな」
信愛は戸惑いながらも小さく頷いた。
「そ、それは有難い話ですけど
お金、すごくかかりません?」
茜も腕を組みながら頷く。
「だよね?『挙げる』ってなったら
数百万くらい余裕でかかるよね?」
龍河は苦笑した。
「そんな大掛かりなヤツじゃないからな
招待する人だって関係者くらいだから
かかっても数十万程度だろ」
その言葉に、さくらが首を傾げる。
「でも、なんでそこまで?」
龍河は少しだけ表情を柔らかくした。
「哲哉さん・・・というか、吉次美沙さんが
君らにえらく感謝してるらしくてな」
焔垂が驚いたように聞き返す。
「美沙さんって、TAMAYAのマネージャーの?」
「ああ、そうだ」
信愛はますます不思議そうな顔になる。
「何で美沙さんが? 自分たちで言うのも
おかしな話ですけど・・・私たちがやった事って
TAMAYAを事実上の引退に追い込む事でしたよね?」
龍河は静かに首を横へ振る。
「まあ、言葉を選ばないならそうも言えるな
けどTAMAYAも、ドサ回りが功を奏して
着実に人気を獲得して、Chiakiとして
初めての大きなライブも決まった」
茜が嬉しそうに笑う。
「あ♬決まったんだ♬」
「ああ。今、彼女は新しいスタートを切ろうとしてる」
龍河は続けた。
「そのキッカケは間違いなく君らだった
君らが居たからこそTAMAYAは自分の過去と
向き合って、新しい一歩を踏み出せた
吉次さんはそう思ってるみたいでな」
少し間を置き、穏やかな口調で言葉を重ねる。
「何か思い出に残るお礼をしたいって
ずっと考えてたらしいんだよ」
信愛は納得したように息をついた。
「なるほど・・・」
「そこで編集長に相談して来たんだよ」
朝陽が疑問を口にする。
「なんで吉次さんが編集長さんに?
繋がりあるんですか?」
龍河は苦笑する。
「編集長と吉次さんに直接的な繋がりが
ある訳じゃないんだけどな、実は
編集長と哲哉さんは大学時代のバンド仲間なんだよ
俺が小諸さんと知り合ったキッカケも編集長だったし」
焔垂は感心したように呟く。
「ああ・・そんな繋がりが・・・」
龍河は頷いた。
「吉次さんは小諸さんから
編集長を紹介されて、相談しに来たそうだ」
信愛もようやく事情を理解したようだった。
「なるほど・・・」
龍河はそこで信愛をまっすぐ見つめる。
「そこで編集長から御船愛子、つまり
君のお母さんの話を聞かされたそうなんだ」
信愛の表情が少し曇る。
「確か白縫さんの両親は『挙げてない』
って言ってたはずだよな?」
「そう・・・ですけど」
龍河は優しく笑った。
「だったら答えはひとつだろ?」
しかし信愛は困ったように目を伏せた。
「でも私たちだけで決めるわけには」
信愛は口ごもり、一瞬沈黙する。
「両親に相談しなきゃ」
龍河はすぐに首を振る。
「いやいや、そこはサプライズ一択だろ?」
「え!?」
「それしかないだろ?」
さらに畳み掛けるように続ける。
「つーか、そもそも両親に伝えるつもりなら
最初から君らだけ呼ばずに両親もこの場に呼んでるよ」
その一言で朝陽が納得したように頷いた。
「あ、だから僕らだけを?」
「なるほどね♬」
茜も微笑む。
龍河は真剣な表情に戻る。
「多分、事前に話したら絶対に『悪いです』って
断ってくるだろ?それだと、美沙さんや
哲哉さんの気持ちが収まらないんだってよ」
さくらは静かに頷いた。
「そういう話だったら、無下にする訳にもいかないか」
信愛も小さく微笑み、ゆっくりと頷いた。
「そ、そうだね・・・」
コメント
1件
ふぁぁ…!このエピ、めっちゃ胸熱だった😭💕 龍河さんの「サプライズ一択」からの押し、強すぎて笑ったけど、それだけ美沙さんたちの感謝が本気ってことだよね…!信愛が「両親に相談しなきゃ」って素直に出たところ、めっちゃ彼女らしくてグッときた。さくらの「無下にする訳にもいかない」って冷静なフォローもナイスすぎる🙌 家族の絆とか、過去と向き合ったからこその今の温かさがじわじわ染みる回だったよ…!×××さん、いつも素敵な物語ありがとうございます🌸✨
#普通
野々さくら
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ありあ
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