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括れた腰を掴み、肉槍を突きながら圭の中を過ぎったのは、一ヶ月ほど前、打ち合わせ時に見せてくれた、両手でハートマークを作って笑みを浮かべた美花の笑顔。
(……くっ…………なっ……何で…………こんな時に……っ)
圭も、なぜ美花の表情が鮮明に浮かんできたのが分からず、戸惑いながら眉間に皺を寄せる。
「けっ…………圭っ……んぅぁあぁっ…………あっあっ……っ……」
千夏が、もっともっと、と言わんばかりに喘ぎ声を上げ、圭を煽ってくる。
「っ……クソッ…………何なんだよっ……」
彼が掠れた声で言い捨て、強く速く腰を振るたびに、心の中で大きくなっていく美花の笑顔。
「圭……もっと…………ああぁっ……っ……もっと…………もっ……とぉ…………んあぁっ」
快楽に溺れながら潤んだ眼差しを向ける千夏に、美花の幻影を重ね合わせている事に気付いた圭は、背筋が凍った。
(彼女は…………千夏と違う。彼女は…………俺が知っている限り……まっすぐな女だ……。この女とは……違うっ……!)
圭は大きく腰を引き、体重を掛けながら、千夏の身体を強烈に突き上げた。
「あうっ…………あんっ…………」
女の背中に浮かんで見える美花の面影を振り切るように、彼は狂ったように腰を前後に揺らした。
圭の考えている事も知らずに、千夏は恍惚としながら快楽の海に溺れている。
「ぅぁあぁっ……だめぇ…………けっ……圭っ…………ぁあぁぁっ──」
「ぐっ……っ……………くっ……クソッ──」
女の尻を引き寄せながら、白濁した欲望を注ぎ込み、残滓も吐き切った彼は、ゆっくりと自身を引き抜き、滑らかな色白の背中を、冷ややかに見下ろした。
(こんな……後味の悪いセックス…………初めて……だ……)
愛情はなくても、穢れた欲に呑まれて女を抱いた圭に、罪悪感と後悔が滲む。
彼は、ベッドから抜け出し、避妊具の処理を施すと、脱ぎ捨ててあったボクサーとスラックスを、淡々と身に付けた。
「け……圭……」
「…………」
千夏が、艶然とした面立ちで圭に眼差しを注ぐが、彼は沈黙を通したまま、スーツの上着を羽織る。
「お前との関係は…………これで終わりだ」
一糸纏わぬ姿の女を一瞥すると、圭は静かに部屋を後にした。