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俺とクーインはクラス発表が分かった後はその場にいた生徒はみんなそれぞれの教室に向かった。
そして現在Bクラス。
俺はある気持ちで満たされていた。
それは「無」。
切ない、悲しい、寂しい、そんな気持ちが湧いてくる。
右を見ると貴族の集団、左を見るも貴族の集団、端をみるといくつかの平民の少数グループがちらほら……。
そう、俺は現在孤高。
では何故このような状態に陥ってしまっているのか。
理由はいくつかある。
一つ目は主人公(レイブン)のせいである。
入学式前に俺に絡んできやがったせいで俺に絡んでくるやつすら居なくなった。
いや、絡んでくる気持ちを失ったということか。
やはり俺は貴族の立ち位置としては微妙らしい。
まぁ、これは覚悟していた事だけど、交流を絶ってしまったからよく思わないのも分かる。
多分本来ならば子爵家より高位、伯爵以上の家から絡まれてもおかしくないのだが、今日の入学式の一件でレイブンの絡みがあったせいで俺を敵に回す=レイブンを敵に回すみたいなへんな構図ができた。
これは面倒事が減るのでありがたいと思う反面、誰からも話しかけられていない今の俺からしたら少し寂しいと思う。
次に二つ目。
平民の子に話しかけようも、みんな強張って逃げてしまう。
やはりクーインが特殊なだけで、それが普通の反応ということも分かってた。
でも、心の中で少しだけ期待してしまった俺がいた………。
そして最後、これが一番の要因。
俺のコミュ障。
何を話せば良いのだろう?
世間に疎い俺は何を話題に話せばいいのか、また話している話題に全くついていけない。
それらが原因で俺はボッチになってしまった。
では、我が友クーインが協力してくれれば良いのでは?とも思ったが、この希望はクラスに入ってすぐに打ち砕かれる。
あの野郎は俺を裏切り平民グループに行きやがった。
それのせいで俺は今ボッチになってしまった。
「はぁー」
俺は小さくため息をしながら机に腕を組んで寝た。
ボッチの必殺寝たふりでござる!
これを使えば少しでも気持ちが和らぐ。
俺は目を閉じて担任の先生が来るまで待機することにした。
「あの………」
「すいません……」
「ん?」
と、全てを諦めた俺にふと綺麗な声で話しかけてくる声がした。
ついにクラスメイトの初会話!!と思い深呼吸をした後に顔を上げた。
「え!」
「………どうかされましたか?」
「いや……なんでもないです!」
「え……そ、そうですか」
驚いた。
理由は俺の目の前に女神……ではなく、入学式で会ったばかりサリーがいた。
俺はついつい声を上げてしまった。
それを見たサリーは少し呆れているのか、困っているのか、そんな表情をしている。
なんでこの場にいるの?
ふと俺は周りに声が一切ないことに気がつく。
それはまさに静寂……音もせず、そしてクラスメイト全員の視線が突き刺さる。
中には嫉妬も混じっているが……。
とりあえず俺はこのままではまずいと思いらサリーに話しかける。
「なにか?」
これほどまでに自分のコミュ障を恨んだことはない。
せっかくの憧れのサリーとの会話、しかも一対一。
もう少し気を遣ったり、楽しい事を話したいと思ったのに……。
「いえ、少々レイブンについてお聞きしたいなと思いまして」
「レイブンについて……ですか?」
「はい」
サリーは俺に気を遣ってか、用件を言ってくれた。
でも何でだろう?
麗太
青い子
理由が分からん。
「何故ですか?」
「と言いますと?」
「いえ……何でレイブンについて聞きたいとかと思いまして……」
「それはですね……」
俺の質問に対してサリーは笑顔になりながら前置きをいう。
やべー綺麗すぎる。
尊い……。
「アルトさんが随分とレイブンと親しそうにしていたからです」
「………」
やっぱり乙女だねサリーは。
好きなやつのことは何でも知りたいってか?
はぁ、でも覚悟はしていたよ。
俺に可能性がないことくらい。
でも、サリーはボッチの俺に気を遣ってから話しかけてくれたのだろう。
話題はどうあれ憧れの存在と話すことができた。
俺はその敬意を表すために正直にレイブンの事を伝えた。
「そんなに親しくないですよ。俺とレイブンは一度入学式で話したくらい。ただ、それだけです」
「そうなのですか?」
俺の回答にサリーは右手の拳を顎に乗せて、ほんの少し首を右に傾ける。
そして少しだけ広角を上げてそう言ってきた。
やばいやばいやばいやばい。
可愛すぎる。
何でこんなに可愛いのサリー。
この動作無意識でやってるのか、それとも狙ってやってるのか?
俺はこのままではやばいと判断。
すぐにこの状況を終わらせたいと思ってしまい、話を切ろうとする。
「本当です!」
「そうですか……ふふ、アルトさんって面白い人ですね」
「………」
たった一言返しただけなのに更なる追い討ちをかけてきた。
俺はもう限界に達して話すことさえ出来なくなる。
ただ、唯一の救いはもう先生の来る時間が迫っていたことだ。
俺はそれを伝えるために言葉を話す。
「時間………」
「へ?」
言葉を話せた自分を褒めてやりたい。
俺の言葉にサリーは振り向き壁の時計を確認。
「あ、そうですね。そろそろ先生も来ますね。ではまた、次の機会にお話ししましょうね、アルトさん」
「………ひゃい!」
またもサリーの笑顔でやられてしまう。
まともに返事さえできなくなってしまった。
そんな反応を見てサリーは「ふふ」と微笑みながらその場を去ろうてしてーー。
「あ!」
何かを思い出したのか、そう声を発しながら止まるサリー。
何かあったのだろうか。
サリーはまたも俺のところへ来て話し始める。
「すいません。あなたに伝えたい事を忘れていました」
「へ?」
伝えたい事?まさか……告白!!
俺は一気に心臓がバクバクになり、少し期待しながら次のサリーの言葉を待つ。
「レイブンと……これからも仲良くしてあげてください」
「喜んで!……はい?」
レイブンと仲良く?なにそれ?
「……そうですか、ありがとうございます!今日見たレイブンは私が今まで見たことがないくらい楽しそうでした。今まで彼が自分から友人と言った人はいませんでしたし、何よりあんなにも嬉しそうにしたのは久々でした。ですのでお願いします」
「……はい」
「では、失礼しますね!」
最後にそう言ってサリーは自分の席に帰って行った。
告白じゃないんかい!
俺は無気力にただただ、返事をした。
ちょっと期待しちゃったなーそう思いつつも話せたことに達成感を感じるのだった。
「すまない待たせたな」
サリーが自分の先に帰った後、そう言って担任であろう先生が入り。教卓前に立つ。
「初めまして、カインだ」
担任カインさんかい!!