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目黒が4年生の時の冬のこと。
クリスマス、バレンタインといった恋人のイベントが盛り上がる時期だ。
🧡「めめ〜!クリスマス休暇帰るん?」
🖤「いや、今年は帰らないかな。康二は?」
🧡「俺迷っとんねん。めめおるんやったら俺も帰らんとこっかな」
🖤「ふっかさんも帰らないって言ってた」
ホグワーツにもクリスマス休暇というものがある。
12月20日頃から年明けまでの数週間、授業は休みとなる。
その間生徒は実家に帰省する者もいれば、帰省せずそのまま寮で過ごす者もいる。
🧡「ホグワーツにおる人が少ないってことは、大広間とか占領できるってことやん!みんなでトランプやろうや!」
🖤「ホグズミード村も人少ないんじゃない?」
🧡「確かに!」
この会話を聞いた生徒の間で、目黒が長期休暇もホグワーツに残ることが一瞬で拡散された。
そしてチャンスとばかりに目黒をデートに誘う女子生徒が後を絶たなかった。
✿︎「め、目黒くん…!今週末よかったら…一緒にホグズミード村に行きませんか…!」
🖤「えっと…ごめん」
✿︎「お茶だけでも…!」
🖤「興味無いんだよね」
そこに寮へ戻る途中の向井が通りかかった。
女子生徒が目黒に向かってなにか話しているのと、「ホグズミード村」と言うワードだけ拾った。
🧡(あっ、めめまた誘われとる!モテる男は違うなぁ〜)
向井は2人の邪魔をしないようにと静かに別の廊下から寮へと向かった。
週末、デートを断ったもののやることもなく暇だったので目黒は散歩がてらホグズミードへ行くことにした。
───────ホグズミード村
イギリス内で唯一、魔法使いだけが暮らしている村だ。ホグワーツからも近く、週末はホグワーツ生徒も多く集まる。
今は長期休暇中ということもあり、人通りはいつもより少なく感じた。
お菓子屋から香る甘いにおい、イタズラ専門店から聞こえるギミックの音。
そして、村の中でも人気なパブ『三本の箒』。ここでは有名なバタービールが飲める。
通り過ぎようとした時にふと窓からパブの店内を見る。
すると…
🖤「……康二?」
そこには複数人と同級生と一緒にバタービールを飲みながら楽しそうに談笑する向井がいた。
もちろんここからは何を話しているか聞こえない。
ただいつもの笑顔で話している。
その時、目黒の胸の奥に黒い影がかかる。
思わず店内に入り、向井の座っている席まで一直線にズカズカと歩みを進める。
🖤「康二」
🧡「あれっ?めめ!?なんで1人なん?女の子は?」
🖤「いないよ。……なんで誘ってくれなかったの」
少し機嫌が悪そうな目黒に向井かキョトンとした顔をする。
🧡「え?だってこないだ女の子に誘われとったやん。先約あるんやったら邪魔したら悪いと思って……」
誘わなかったのは向井の優しさによるものだった。だがそれでもなお釈然としない。
🖤「先約とかないから。あっても康二優先するし」
🧡「いやそれはアカンやろ! 俺が恨まれる笑」
向井はケラケラと笑い軽く流すが目黒の胸に立ち込めたモヤモヤは未だに晴れず。そのまままた数日経過した。
🧡「めめ!ハニーデュークスがクリスマス限定のお菓子だしとるらしいで!一緒に行こっ!」
向井からお誘いがあったので今度こそ2人でホグズミード村へ。
その日はしんしんと雪が降り、大量に積もっていた。向井はハッフルパフの黄色いマフラーをぐるぐる巻きにしていた。
────────ハニーデュークス
魔法界ならではのユニークなお菓子が並ぶお菓子屋。ホグワーツの生徒からも大人気。動く蛙チョコ、全て味が違う百味ビーンズが看板商品。
🧡「あっめめこれやで!みてみて!」
お目当てのお菓子を見つけてご機嫌な向井を見て思わず微笑んでしまう。
🧡「めめなんか買うん?もうちょい見る?」
🖤「うん、見ようかな」
🧡「じゃあ俺買って外で待っとるで」
🖤「オッケー」
向井はお菓子を持ってレジに行った。
普段あまりお菓子を買わない目黒にとってハニーデュークスの店舗内は新鮮だった。
そんな中、棚に陳列されているある箱に目が止まる。
【友達や恋人と運試し☆ツイン・ショコラ 】
と書いてある。
箱の裏をみたらどうやら丸いチョコが2つ入っているようだった。
· · ───── ·✧· ───── · ·
◇友達や恋人と分けて1つずつ食べる。
◇ひとつはチョコの中にとろける金のハチミツ。
◇もうひとつのチョコの中にはパチパチ弾ける激酸っぱいレモンペースト。
◇せーので食べて運試し!
· · ───── ·✧· ───── · ·
と書いてある。
目黒は思わず手に取りそれをひとつ購入した。
カランカラン♪
店のドアベルを鳴らして外に出る。
雪はまだまだ振り続けている。白い視界の中で向井を探す。
辺りを見回すと雪を凌ぐ為か、向井は少し先の小屋の中にいた。目黒も小屋へ行こうと歩みを進めるが……
🖤「……は?」
向井は誰かと話していた。
見ている限り同級生、恐らくたまたまバッタリ出くわしたのだろう。
無邪気な笑顔で声を上げて笑う向井を見た瞬間、
腹の中でドス黒い苛立ちを覚えた。この前の胸のモヤモヤすらまだ晴れていないのに。
気づけば向井の手首を思い切り掴んでいた。
🧡「えっ!?めめ!?どしたん?買い物終わった?」
驚く向井の手をそのまま引き、雪の中を大股で歩き出していた。
🧡「めめ!なんやのん!どこ行くん!?」
向井が後ろで呼びかける声が聞こえるが一言も返さずただ歩く。
賑やかな店通りから外れた古い建物が並ぶ道の裏側。人通りも皆無、音すらない静かな空間
繋いだ手を引かれるまま歩いた向井は未だ困惑状態だ。目黒が歩みを止めたところでまた問いかける。
🧡「どしたん急に…?俺なんかした?」
目黒はまだ答えず無言のまま振り向き、両手で向井の頬をそっと包み込んだ。
モヤモヤしたまま至近距離でジーーーっと向井の顔を見つめる。
寒さのせいか、気恥しさのせいなのか、向井の顔がほんのり赤い。
🧡「め、め……?ホンマにどしたん……?」
何に苛立っているのかがわからない。ただ向井を見れば何かわかるような気がして。
ただずっとまっすぐ見つめる。
すると向井は恥ずかしさに耐えきれなくなったか、視線をフイッと逸らし、マフラーに顔を埋めた。
🧡「あ…あんま見んで…」
その瞬間だった。
目黒の中でもストンと腑に落ちた 。
🖤(……あぁ、そっか)
この前、誘われなかったのが嫌だったんじゃない。
自分の知らないところで、自分以外の誰かとあんな風に笑いあってるのが気に食わなかったんだ。
向井の誰にでも分け隔てなく平等に接するマインドを尊敬しているはずなのに、「平等では嫌だ」と思う自分がいる。
今まで人から特別視されることを嫌っていたはずなのに「特別な存在になりたい」と思う自分がいる。
これが恋であることに気づかないほど子供ではない。
すると不思議なもので、目の前の彼が可愛くてたまらなくなってくる。
ようやく目黒の顔が綻び、向井の頬に添えていた両手を離す。
🧡「えっ…ホンマになんなん…?」
向井からすると目黒が急に不機嫌になって路地裏に連れ込まれ頬を挟まれたかと思えば急にご機嫌になっているのだからちんぷんかんぷんだろう。
🖤「ごめん、康二が他の奴らと楽しそうに話すから…ちょっとイラついただけ。今日は俺と来てるのに」
🧡「へっ?」
まだよく分かっていない向井を横目にポケットに入れていた箱をガサガサと開ける。
🧡「めめなんか変なもん食べた?…ってなんこれ?」
目黒は微笑みながら1つの丸いチョコを差し出す。
向井は何も疑わずにパクッと一口で食べる。
モグモグモグ…
🧡「………すッッッッぱぁぁぁぁ!!!!!!」
目黒が買ったツイン・ショコラだ。
先程までの照れた顔は見る影もないほど顔をすぼめる向井に目黒は爆笑する。
🖤「あー、じゃ当たりはコッチか笑」
🧡「うぉぉい!!俺で試さんで!!」
🖤「戻ろっか。熱でも出たら良くないし」
🧡「めめ…!気まぐれにも程があるで…! 」
歩き出す目黒に慌ててついていく向井。
目黒は残されたもう片方のチョコを頬張る。
🖤「…あっっまいな」
コメント
7件
(っ ‘ᾥ’ c)クワッめめの嫉妬かわちい
嫉妬めぐろさん可愛いすぎませんかね
が、ん"わ"、ぃい""‼️‼️