テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
第6話 『二人の放課後』
放課後の教室。窓の外には夕焼けが差し込み、オレンジ色の光が机を染める。
あすたは、いつもの元気な笑顔を浮かべつつ、
自分の席に座るじおるをちらりと見た。
「じおる、今日も可愛いな」
「……っ……あすたくん、そういうことは……」
顔を真っ赤にして、視線を床に落とすじおる。
でも手は自然と、あすたの机の端に触れてしまう。
勉強の復習中、じおるが少しウトウトしてきた。
「……あすたくん……肩……貸していただけますか……」
「お、いいよ」
あすたの肩に頭を乗せるじおる。
ぴたりと寄り添う体温が伝わって、あすたは心の中でにやけてしまう。
だが、
「……もう、可愛すぎんだろ……」
うっかり声が出てしまう。
じおるは耳まで赤くなり、必死に視線を逸らす。
それでも、じわっと笑みがこぼれてしまうのを止められない。
「勉強もうちょっとだぞ」
あすたが励ましながら、軽くじおるの手に触れる。
じおるは思わず小さく手を握り返す。
「……あすたくん……ありがとうございます… いつも……優しいですね……」
「別に……俺だってお前に甘えてるんだし」
そう言いながらも、手は離さない。
二人の距離は、誰も入れないほど近い。
その後、じおるがついに眠ってしまう。
机に伏せるわけでもなく、
ぴったりとあすたの肩に頭を預けて。
あすたは、そっとじおるの髪に触れた。
「……じおる……本当に……可愛いな……」
心の奥から溢れる想いを、そっと吐き出す。
じおるは微かに体を揺らしながら、寝息を立てている。
「起こしたくないけど……」
あすたくんは、じっとその寝顔を見つめる。
睫毛の長さ、緩んだ口元、すこし赤い頬――
どれも全て、尊すぎて手が出せない。
「……俺のじおる……」
小声で呟き、心臓がバクバクする。
理性は必死に耐えているけど、
尊すぎて、もうどうにでもなれって気分になる。
しばらくして、じおるがうとうとと目を開けた。
「……あすたくん……?」
まだ寝ぼけた声なのに、あすたくんはにやけを抑えられない。
「じおる……起きてたのか?」
「はい……でも……あすたくんの隣……
……暖かくて……つい……」
顔を真っ赤にして、じおるは視線を逸らす。
でも、あすたに寄り添う手だけは離さない。
「……たまんねぇな……」
あすたも小さく笑い、じおるの手をぎゅっと握る。
二人の放課後は、
まるで世界に二人だけしかいないみたいに尊く、甘く、
そして静かに終わっていくのだった。
第7話 1/1 投稿予定
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!