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第4話 そばにいるだけでいい
さらに時が過ぎた。
季節がいくつも巡る間に、二人の姿から獣の名残はほとんど消えていった。橙色の体毛が薄れ、輪郭が変わり、四肢の骨格そのものが少しずつ組み替えられていく。痛みを伴う日もあれば、ただ熱に浮かされるように過ごす日もあった。そのどちらの日も、二人は隣り合った部屋で過ごした。
骨格が変わる夜は、決まって眠れなかった。関節の奥で何かが軋むような、鈍く疼く痛みが続く。小型霊獣は、その熱っぽさに耐えかねて、爪先で床を強く掻くことがあった。
そんな夜、隣の部屋との間仕切りが、外から静かに開く。
「眠れないのか」
大型霊獣が、戸口に立っていた。答える余裕もなく、小型霊獣は荒い吐息を殺していた。
「何がいる」
短い問いに、少し迷ってから、小型霊獣は湿り気を帯びた声を絞り出した。
「……そばにいるだけでいい」
大型霊獣は、ゆっくりとその隣に身体を寄せた。肌が触れ合うほどの距離で、金色の瞳が細く、熱を帯びて揺れる。
「どこが痛む」
その問いかけに、小型霊獣は指先で自分の肩口から胸元を示す。骨の組み替えが進むそこは、衣越しでもはっきりと分かるほど熱を持っていた。
大型霊獣は何も言わず、そっとその肩口に顔を寄せた。ざらりとした温かい舌が、熱を持つ皮膚を丁寧に、舐め上げるように何度も往復する。濡れた湿り気が、火照りを引き出すように染み込んでいく。
「……っ」
小型霊獣の指が、敷布を強く掴んだ。痺れるような感触が広がり、背筋に微かな戦慄が走る。大型霊獣の舌の動きは途切れず、時折、耳元で小さく荒い鼻鳴らしを漏らしながら、舐める場所をゆっくりと下ろしていく。
熱を帯びた舌先が下腹部を掠め、最も甘く痺れる箇所へと辿り着く。そこは既に、溢れ出た溢液でぬるりと湿り、怪しい光沢を放っていた。指先で密処の濡れを直接確かめるように撫で上げられ、小型霊獣は爪を立てる。
「……濡れているな。痛みのせいか」
低い声が、肌に直接響く。その吐息が秘所に触れ、溢れ出る蜜を滑らせるだけで、小型霊獣の体が跳ねた。
「……違う」
否定の言葉とは裏腹に、熱く湿った雫がまたひとつ、敷布へと滴り落ちた。
「もう、ひとりで夜を明かさなくていい」
首筋から鎖骨へと這う舌の温かさに、小型霊獣の肩から力が抜けていく。痛みはすでに遠のき、代わりに理由のつかない甘い痺れが全身を支配し始めていた。
舌の位置が、さらに胸元へ、うなじへと移っていく。もう痛む場所ではなかった。それどころか、触れられるたびに皮膚が過剰に跳ね返してしまう。それでも、大型霊獣は止まらなかった。
「……そこは、痛む場所じゃない」
「だが、ここも熱い」
「違…お前……」
否定の声は弱く、吐息に混じって艶っぽく震えていた。
小型霊獣は、うっすらと濡れた目を開け、大型霊獣の金色の瞳を見上げた。至近距離で交わる視線。重なる呼吸が明確に熱を帯び、互いの皮膚を湿らせていく。
「……もう、いい」
掠れた声で言ったが、差し出された手は相手の胸元に添えられたまま、押しのける力など微塵もこもっていなかった。
大型霊獣の動きが、ぴたりと止まる。
「もう、引き返さなくていいのか」
問いの意味が、深く重いものへ変わっている。それに気づいて、小型霊獣は声を出せなかった。代わりに、添えた指先にわずかに力を込める。
しばらくの沈黙。重く荒い二人の呼吸音だけが、密室に満ちていた。
やがて、灯りが落とされ、二人の輪郭は静かに闇へと溶けていった。
主
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コメント
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うわあああ…この回、しんどすぎる…!!😭💕 獣の名残が消えていく中で、骨格が変わる痛みに耐える夜に「そばにいるだけでいい」って寄り添う大型霊獣…もう尊すぎて胸がギュッてなった…! 「どこが痛む」からの舐めて鎮めるシーン、エモいけどすごく官能的でドキドキした…「もう引き返さなくていいのか」の問いかけ、重い…二人の覚悟が伝わってくるよ…次、どうなるの!?早く続き読みたい!!🌸