テラーノベル
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一同は忍に言われるがまま、その後について編集部の奥へと進んでいった。
やがて辿り着いたのは、一室の会議室だった。
「ちょっと待っててくれな、今セッティングするから」
江波山はそう言い残すと、部屋を出ていく。
そしてしばらくして戻ってきた忍が運び込んできたのは、キャリー台に載せられたブラウン管テレビとビデオデッキだった。
それを目にしたさくらが、懐かしそうに声を上げる。
「あ♬ブラウン管♬懐かしい♬
昔おじいちゃん家でコレ使ってた♬」
茜はそんな信愛を横目に、素朴な疑問を口にした。
「でもなんで今更ブラウン管?」
「これを見て欲しいんだよ」
忍はそう言うと、一本のVHSテープをテーブルの上に置いた。
使い込まれた黒いテープには、年月を感じさせる古びた黄ばんだラベルが貼られている。
「あ!これあれじゃん!」
茜が物珍しそうに身を乗り出した。
「VHなんとかってヤツ」
「VHSだな」
焔垂がすぐさま訂正する。
「そう♬それそれ♬」
朝陽も興味深そうにテープを覗き込んだ。
「実物初めて見ました!」
「ドラマとかでは見たことあるけど」
信愛も珍しそうにVHSを眺める。
そんな彼女たちの様子を見ながら、龍河が苦笑した。
「まぁVHSも今やレトロアイテムだからな」
しかし、信愛はふとラベルに書かれた文字に気づいた。
「で、この──」
指先で、その文字を示す。
「未解決事件・・調査隊?これなんです?」
忍はテープを見つめながら答えた。
「それはね、30年前くらいに放送されてた番組だよ」
「かなり前の番組なんですね」
焔垂が感心したように呟く。
忍は一同を見渡すと、少し真剣な表情になった。
「実は5日前くらいだったかな?
馬場から君たちの話を聞かされててね
参考になればと思って持って来たんだよ」
「この番組がですか?」
信愛が首を傾げる。
「まぁ、とりあえず適当に座ってくれ」
忍はブラウン管テレビへと向き直った。
「詳しくはビデオを観ながら話すから」
「は、はい」
一同がそれぞれ椅子に腰を下ろす。
全員が座ったことを確認すると、忍はVHSをビデオデッキへ差し込んだ。
──ガコン。
重い機械音が静かな会議室に響く。
テレビの画面に視線が集まる。
忍は再生ボタンへ指を伸ばした。
「なら再生するぞ?」
◇ ◇ ◇
忍が再生ボタンを押すと、ブラウン管テレビの画面に一瞬ノイズが走った。
やがて、青みがかった古い映像とともに、大きなタイトルが浮かび上がる。
『未解決事件調査隊−あなたの声が事件解決の鍵−』
どうやらVHSに収録されていたのは、かつて放送されていた『未解決事件調査隊』という番組らしい。
ほどなくして画面が切り替わり、神妙な面持ちの男性アナウンサーが映し出された。
画面には『貴船一条』という名前とともに、その顔が大きく映し出された。
「みなさんこんばんは」
どこか懐かしさを感じさせる、昔ながらのテレビ番組らしい硬い口調だった。
「今週も始まりました」
貴船は一拍置き、番組名を告げる。
「未解決事件調査隊−あなたの声が事件解決の鍵−」
落ち着いた声が、ブラウン管のスピーカーから響く。
「この番組はこの映像をご覧のあなた方の証言を元に
未解決事件を解決へと導く特別番組です」
男は真っ直ぐにカメラを見据えたまま続ける。
「司会進行は私、貴船一条が務めさせていただきます」
貴船は慣れた口調で挨拶を済ませる。
コメント
1件
読み終えました!ブラウン管テレビとVHSテープで30年前の番組を観る展開、レトロ感がたまらないですね。さくらや茜の「懐かしい♬」「VHなんとか」という反応が世代差を感じさせて微笑ましかったです。それにしても「未解決事件調査隊」……この番組が今の物語にどう繋がるのか、すごく気になります。忍が「参考になれば」と持ってきたということは、現在進行形の事件のヒントが隠されているんでしょうね。続き、早く読みたいです!
#普通
野々さくら
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ありあ
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