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害獣が勝手に出店を開く!?(スイートが屋台の味を変えまくる! 🎪🍡🍭)
1.文化祭開幕!
学校祭の朝——。
「いやー、ついに来たな、文化祭!」
天気 元気(てんき げんき)が、腕を振り上げながら校門をくぐる。
「俺たちのクラスは出店で『たこ焼き屋』をやるんだよな?」
芦野 勇(あしの いさむ)が確認する。
「うむ、俺の華麗なひっくり返し技が炸裂する予定だ!」
円 真和志(えん まわし)が鉛筆を回しながら自信満々に答えた。
「まぁ、問題なく進めばいいけど……。」
目蒲 安(めがま やすし)はすでに不安しかない。
そして、予感は的中する——。
2.害獣、屋台を勝手に開く!?
「ねぇ、なんかおかしくない?」
文化祭が始まって間もなく、クラスの出店の前で誰かが声を上げた。
「……なんだこれ。」
そこには—— 見たことのない屋台がズラリと並んでいた。
『激辛クレープ屋』
『味変ラーメン店』
『謎のドリンクスタンド』
どう見ても公式ではない。
「なんでこんなの出てんの!? しかも、どの屋台にも害獣の姿が!!」
「おぉぉい! こらあぁぁぁ!! 何やってんだお前らーー!!」
クラスメイトが叫ぶ。
しかし、害獣たちは 堂々と営業 を続けていた——。
3.スイートの暴走!味覚操作が大惨事に!?
「まぁまぁ落ち着きなさいな。」
問題の発端は 甘坂 雨衣(あまさか あまい) と彼女の害獣 スイート だった。
「せっかくの文化祭なんだから、もっと楽しまなきゃ♪」
スイート(キャンディのような尻尾を持つリス型害獣)が、ニコニコしながら言う。
「……いや、お前ら勝手に何してんの?」
目蒲がため息をつく。
「ふふっ♪ 私の能力で、屋台の食べ物を もっと美味しくしてる のよ!」
「……は?」
目蒲が怪訝な顔をした瞬間——。
「ちょ、なんだこれ!? たこ焼きが全部チョコ味になってる!?」
「おれのラーメン、ミント味になってるんだけど!?」
「激辛クレープとかいう拷問フード誕生してるんだけど!?」
「……やりすぎだろ。」
目蒲は メガネを外して深いため息 をついた。
4.ジョーカーの不穏な影……。
「はっはっは! これはもう害獣フェスティバルだな!」
うましか 無治(うましか むじ)が豪快に笑いながら、なぜか全部の屋台の味を楽しんでいた。
「おいしいぞ! 何味かわかんねぇけど!」
「お前の舌、どうなってんだよ……。」
その時——。
「……おもしろいことになってるな。」
誰も気づかないうちに、一人の男が屋台の影に立っていた。
白髪の少年、密鍵 樹沿(みつかぎ なぞ)。
彼の肩には、黒い影のような害獣 ジョーカー がいた。
「へぇ……害獣って、こんなこともできるのか。」
スイートたちの暴走を見つめるジョーカー。
だが、彼は 何も言わず、ただ微笑んでいた。
5.スイート、味覚操作を解除!?
「ねぇねぇ、スイート! さすがにちょっとやりすぎじゃない?」
甘坂が小声で言う。
「えぇぇ? でも、みんな面白そうじゃん!」
「……いや、これ、全員カオスになってるから。」
クレープを食べて辛すぎて悶絶する人。
ミント味ラーメンに涙を流す人。
チョコたこ焼きに混乱する人。
「……しょうがないわね。」
スイートがしっぽを揺らすと、食べ物の味が一斉に元に戻った。
「うわぁぁぁぁ!! 正常になったぁぁぁぁ!!」
クラスメイトたちが歓喜の声をあげた。
「もう、最初からやらなきゃよかったのに……。」
目蒲はメガネをクイっと上げ、やれやれとつぶやく。
6.そして、誰も気づかないジョーカーの存在……。
屋台騒動が収束した後、
再び 密鍵 樹沿(みつかぎ なぞ) がつぶやく。
「……害獣の力、か。」
ジョーカーは 赤い瞳を光らせながら、静かに笑っていた。
「本当に、面白い生き物だな。」
しかし、誰もその言葉に気づくことはなかった。