ありがとう、と囁くように紡がれた言葉に続いて、水戸が困ったように眉を下げる。
「何だか、椎名さんには背中を押されてばかりね。甘え過ぎだわ」
「水、戸さ……」
ふらり、と宙を泳ぐように手が伸びた。
吸い込まれて、触れてしまえたら。
しかし到達する前に、ぴたり、と動きが止まる。
水戸が真っ直ぐに俺を見つめたからだ。
「甘えていると自覚していて言うのもどうかと思うのだけれど……、実はもう一つ話したいことがあるんです」
「っ、何です……?」
すぐに腕を引いて、曖昧な笑みを浮かべた。
これで接客業が務まっていたなんて嘘みたいだ。
妙な緊張を背中に感じながら水戸の言葉を待つ。
彼女が少しだけ視線を逃がして、遠い夜道のアスファルトに落とす。
「同期の二人に優しくできない、と言ったでしょう……? 今回のことで思い知ったのだけれど、私はどうも********
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