テラーノベル
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⚠タヒネタ、流血、少しの病み(?)要素等含みます苦手な方はここでやめることをおすすめします。
嫌な夢を見て飛び起きる。
時計の針は4のところを刺していた。
最近、同じ夢を見る。
パイセンがトラックに轢かれてタヒぬ、そんな夢を。
そんなことあるわけないのに、夢を見てしまう。
ほんと
「いい加減にしてっす…」
1人しかいない部屋でぽつりと呟く。
変な汗をかいてしまったので、部屋を出る。
まだ暗い家の中を、壁伝いで歩く。
夢の中の光景が脳に焼き付いて離れない。
そのせいで気持ち悪くなり、息がしづらくなる。
ほんとにいやっすね。
風呂場につき、濡れないよう髪をあげる。
右目は三つに増えていて、化け物みたいと心の中で思う。
自分なのに。
そして風呂へ入る。
ま、朝風呂っす。
朝風呂からあがり、リビングのドアを開ける。
ソファにはパイセンが座っていた。
時刻は5時24分。
今日も起きるのが早い。
パイセンがそこにいることに安心したおれは、パイセンの背中に抱きついた。
「パイセ〜ン!!おはようっす!!」
「今日も早いっすね」
「十二村、急に抱きつくな」
「暑い。」
そんなことを言いながら、離れようとしないパイセン。
ほんとパイセンって優しいっすよね。
こんなおれに手を差し伸べてくれたんすから。
ふわりと煙草の匂いがする。
「パイセン、煙草吸った後っすか?」
「あぁ…吸った後だ。嫌ならしばらくベランダに行くが…」
「いや、大丈夫っす!パイセンって感じの匂いなんで」
「はぁ?」
意味がわからないと思ったような声で返事をするパイセン。
そんなパイセンの隣はおれ以外ありえない。
この先ずっと。
おれはパイセンの隣に立ち続ける。
ずっと…。
時計が6時を指す頃、パイセンは立ち上がってキッチンへ入っていった。
おれもそれについて行く。
パイセンは袋からパンを2枚取りだし、トースターの中に入れた。
おれの分まで焼いてくれるのが嬉しくて、口角がいつも以上に上がる。
おれの顔を見たパイセンは、呆れたような雰囲気があったが、口元が緩んでいる。
この日常が、ずっとずっと続くことをおれは願う。
だってもし神様がいるなら、人を不幸になんてしないっすよね…?
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