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晴天の柔らかな日差しの下、青々と茂る芝生に、色鮮やかな花々。
まるで花の蜜に誘われた蝶の如き、ゆらゆらと漂う湯気に乗せて、芳しい紅茶の香りが鼻腔を抜ける。
王城のメイドがティーカップを置き、必要な準備を整えると、ワゴンを押して場を後にした。
ワゴンの音が遠ざかるのを待って、私は視線を据える。
無論その視線が捉えるのは、この茶会の主催者であり、王城の庭園にテーブルを用意できる者。サイラス王子殿下、その人だ。
私が顔を向けると、殿下はにこりと笑って手振りで紅茶を勧める。
「なかなか時間が取れずに申し訳なかった」
「いえ、こちらこそお忙しいところお時間をいただき、恐縮でございます」
「堅苦しい挨拶はよしてくれ。君とこうしてお茶を楽しめる時間を、心待ちにしていたのだから」
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