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「ああぁぁっ……っ…………いっ……」
身体の奥まで強く肉杭を突かれた奏は、嬌声を上げると、滑らかな背中に覆い被さるように、怜は彼女の耳元で囁く。
「バックでセックスするのは……嫌か？」
言いながら怜は、更に肉槍を最深部まで挿入していく。
「んんっ……ああぁっ……っ…………あっ……あっ……ううっ」
初めて与えられた甘くて強烈な刺激に、奏の太腿の内側がプルプルと小刻みに震え出すと、怜は緩慢に腰を律動させた。
亀頭が膣内の肉壁に強く擦られる度に、はしたなく喘ぎ続ける奏。
色を含んだ声とは裏腹に、心の中では、怜の顔が見えない情交に恐怖と不安めいたものが渦巻いていく。
「あんっ…………はうっ……ああぁっ…………んああぁっ」
しかし、身体は正直なのか四つん這いで肉塊を突かれ、歓喜の声を上げながら背中を反らせている奏は、発情した雌猫のようだった。
啜り泣くような声で快楽に溺れている彼女に、怜の腰を振るスピードも次第に上がっていく。
「奏……煽らないでくれ……。マジで…………ヤベぇよ……」
彼は繋がったままの状態で、細い腰に腕を回し、白磁の上半身を抱き起こした。
立膝を突いた状態での背後からの交接は、より深く愉悦の海へと堕ちていく。
「やあぁっ…………ああぁっ……んっ…………はあぁっ」
次々へと襲いかかる悦楽の波に、怜は恍惚とした表情を浮かべている奏の唇を塞いだ。
「んんんっ……」
キスを交わしたまま、彼は激しく腰を突き上げると、彼女が硬直し始めた。
抜けるような白い肢体を震わせ、口付けから逃れるように首筋を露わにしながら天を見上げる。
薄紅色の小さな花弁から涎が零れ落ち、奏は顔を歪ませながら達しようとしていた。
「ヤバ……い……。俺も…………イキ……そ……う……」
奏の首筋に唇を彷徨わせながら細い腰に腕を回し、吐精感に襲われた怜は、繋がった部分を押さえつけながら剛直で抉(えぐ)り続けた。
「ああぁっ……だ……ダメ…………来ちゃ……う……ああぁぁっ……来ちゃ——」
「っ……ぐっ…………イッ——」
二つの膨らみを突き出しながら絶頂を迎えた奏を、背後から抱きしめながら腰を引き、強くひと突きした瞬間、白濁した熱が避妊具越しに注がれた。
暖かな膣の中で、怜の陰茎からドクドクと精が吐き出されているのを感じている奏。
残滓も放った後、怜が肉杭を引き抜いてコンドームの処理をしていると、奏はうつ伏せで崩れ落ちるようにベッドへ倒れ込む。
「奏……。まだ……抱き足りねぇな……」
怜が彼女を背後から覆い被さり、滑らかな首筋に唇を落として舌先でなぞりながら奏の双丘を揉み上げた。
「バックのセックスは初めてだったし、気持ちよかったけど…………私……」
「奏？ どうした？」
「怜さんの顔が見えなくて…………不安っていうか……怖かったというか……」
奏の言葉に、怜は愛しい女を仰向けにさせながら抱きしめ、額をコツンと合わせた。
「バック……嫌だったか？」
「嫌じゃなくて…………怜さんの顔が見えた方が…………抱かれてて安心するっていうか……」
奏の言葉に、怜は目を見張った。
好きな女と身体を交えるなら、どんな体位でも心も身体も満たされるものだと思っていたのだ。
過去の恋人たちも、後背位でのセックスは好き、という女が多かった。
しかし、奏が思っている事は違っていた。
怜の顔が見えないセックスは、奏にとって肉体的に快感を得ても、精神的に不安定になってしまうようだ。
(奏のセックスに対する考え方は、過去の事もあるし、過敏になってしまうんだろうな……。だったら……)
怜は奏の頭の横に両手を突き、逃がさない、と言わんばかりに視線を刺しながら捕らえた。
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