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それから信愛は、千秋から聞いた想いを一つひとつ丁寧に拾い上げ、手紙の代筆に取り掛かった。
その様子を見ていたさくらが、先ほどの龍河の言葉を思い返すように口を開く。
「いやぁ〜さっきの言葉めちゃアツかったです」
朝陽も大きくうなずいた。
「僕も感動しちゃいましたよ」
「あはは、柄にもなく熱血だったか?あはは」
龍河は照れたように頭をポリポリと掻く。
「まあ、言葉の力とか、ぽい事言ってても
テキトーな記事で炎上しちゃうんですね」
さくらの容赦ない一言が、龍河の胸に深々と突き刺さった。
「ぐはっ(吐血)」
龍河の口から大量の血が噴き出る。
「そ・・それは・・言う・・・な・・」
瀕死の兵士のような憔悴しきった顔で、龍河がどうにか言葉を絞り出す。
「あっ、ごめんなさい」
そんなやり取りを眺めていた哲哉が、穏やかに口を開いた。
「だけど龍ちゃんの言うことも間違ってないよ
文字ってのは時代を越えて受け継がれていくからね」
「確かにそうですよね」
美沙が同意するようにうなずく。
「ドストエフスキーの『罪と罰』は約160年
夏目漱石の『こころ』は約百十110年」
そして、少し感慨深そうに続けた。
「時代を越えて人のこころに残ってますからね」
「あ!確かに!言われてみれば」
哲哉は得意げに笑みを浮かべる。
「『こころだけ』にね〜」
「・・・・・」
その瞬間、哲哉と皆の間を冷たい風が吹き抜けた。
「急に冷えてきたな・・今だけ季節冬か?」
龍河がぽつりと呟き、美沙が冷ややかな視線を哲哉へ向けた。
「あの小諸さん?私に乗っかって
ダジャレ言うの辞めてもらえます?」
さくらも間髪入れずに追撃する。
「ギャクハラです、おやじギャグハラスメント」
「え!?今のもハラスメント認定されちゃうの?」
哲哉は驚愕の声を上げる。
「辛い世の中になったもんだね〜龍ちゃ〜ん」
そう言って哲哉は龍河の肩に腕を回した。
「いや!俺まで巻き込まないでくださいよ!」
龍河は慌ててその腕から逃れようとする。
「もらい事故っスよ!」
「ツレないな〜龍ちゃんは〜」
そんな二人のやり取りに、室内には再び楽しげな笑い声が広がった。
やがて、信愛が皆のもとへ戻ってくる。
「手紙はできたか?」
龍河が尋ねると、信愛は完成した手紙を大事そうに手にしながらうなずいた。
「はい!バッチリです」
「なら早速TAMAYAさんに
持っていってあげようか」
さくらの提案に、信愛は小さくうなずく。
「うん!」
一同は、摩耶に手紙を渡すための打ち合わせをしている会議室へと向かった。
#ボカロ
ありあ
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ありあ
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コメント
1件
読ませていただきました……! 龍河さんの「熱血宣言」からのさくらさんのバッサリツッコミで吐血する流れ、めっちゃ好きです(笑) 哲哉さんのダジャレで凍りつく空気、一瞬で読者も寒くさせられたの悔しいけど面白かったです…… そして信愛ちゃんが丁寧に代筆を終えたところ、すごく温かい気持ちになりました。文字の力って時代を超えるって美沙さんの言葉も沁みますね。 このチームの軽妙な掛け合いに、しっかり物語の核が詰まってる感じがして、大好きな回でした🥀