テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
そして、次の日。
すまない達は瑞穂の国の少し奥に行った先にある、野原へとやってきた。
その野原は様々な花が咲き乱れ、その野原にある大きなツリーハウスがまるで絵画のようだった。
「わぁ!すごい!!花畑だ!!」
「おお・・・」
と、子供達は目を輝かせ、野原を駆け回る。
「・・・そういえば、ここですまないさんと初めて会ったんですよね」
ふと、エウリがそうこぼし、花を摘んだ。
「こうやってお花を摘んでる時に、突然声掛けられてびっくりしましたよ」
「あはは・・・僕だって、ここでひとりでいたエウリに驚いたよ」
「ふふ」
と、思い出話をしていると、
「「わぁあああ!?!?」」
「「!?」」
突然子供達の叫び声にすまない達は子供達の元へ駆け寄った。
✵✵✵✵✵
子供達の叫び声から少し前の時間。
「見て!ライラックだぁ!」
と、天満と風音が夢中で花を摘んでいた。その間、蓬莱は辺りを見渡していた。
「蓬莱、どうしたの?」
そう天満が心配そうに聞くと、蓬莱が答える。
「お父さんとお母さんはここで会ったって聞いたんだ。その時、ミュータントモンスターが出たって言ってたから・・・念の為警戒しておこうって」
「でもそれは何年も前の話でしょ?たまたまミュータントモンスターがここに来ちゃったってことは無いのかな?」
「どうかしらね。ミュータントモンスターはまだ謎だらけのモンスターだし・・・」
そう話していると、ふと、気配を感じた。そして、蓬莱が風音と天満の首根っこを掴み、地面に転がった。
ドォンッ
上から何か大きなものが降ってきた。3人は顔を上げた。そこには、
──今まで見たゾンビより体の大きい、
ミュータントゾンビだった。
思わず、天満と風音は驚き、叫んだ。
「「うぁあああ!?!?」」
✵✵✵✵✵
ミュータントゾンビの繰り出される攻撃を避けつつ、天満達は逃げていた。
ミュータントモンスターはまだ天満達には早い。
天満達は逃げていると、
「すまないっ!!」
と、剣撃が飛んでくる。剣撃の飛んできた方を見ると、すまないが立っていた。
「父さん!!/師匠!!」
だが、すまないの利き腕は、剣を満足に振ることは出来なかった。剣撃を放った後、すまないの手から剣が落ちた。
「ぐっ・・・!」
「父さん!危ない!!」
「!!」
すまないはミュータントゾンビの攻撃を避ける。少し掠ったらしく、腕から血が垂れる。ふと、エウリが叫んだ。手にはモンスターに関する本が。
「ミュータントゾンビは倒してもすぐ復活するわ!倒した後火打ち石で燃やして!!」
それを聞いた天満達は、ミュータントゾンビの気を引いた。
なるべく、父や母の傍でやると巻き込まれてしまうから。
天満はミュータントゾンビの地ならしや投げて叩き落としてくる攻撃を避けつつ、ミュータントゾンビの気を引く。その間。風音は投げナイフや長剣で体力を削る。
そして、蓬莱がミュータントゾンビの首を、八咫鏡をブーメランのように扱い、切り落とす。 すると、ミュータントゾンビの体が傾く。
「今だ!!須磨哭威っ!」
と、ゾンビの体を切り裂いた。そして、地面に倒れる。
そして、エウリが慌てて火打ち石でミュータントゾンビを燃やす。
すると、ミュータントゾンビは復活することなく、徐々に透けていき、やがて消えた。
「「よ、良かったぁぁあ〜」」
と、風音と天満はホッとした。蓬莱はすまないの元に駆け寄った。
「大丈夫、お父さん」
「う、うん、少し掠っただけだから、大丈夫だよ」
そう笑顔を見せる。すると、エウリが横からその怪我を包帯で結ぶ。
包帯はリボンの形に結ばれた。
「あ、エウリ、ありがとう・・・」
「・・・ふふ、会った時と同じでしたね」
そうエウリが微笑むと、すまないもくすりと笑った。
「・・・!そういえば、そうだね。あの時もミュータントモンスターを倒した後、怪我した僕にこうやって君は手当してくれたね」
と、微笑む。2人の間には優しげな空気が漂う。
「ほら、天満、お父さんお母さんの邪魔しないの」
「そうだよー!天満〜、天満は私たちと花摘みでもしましょうねー」
「えー」
と、空気を読んだ子供達は、その場から離れた。