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こんにちはミラです。

このお話はダブル主人公制なので早くもう一人の方を出したいです。二次創作?あれは、もともと一次創作の肩慣らしのために始めたものだったので…いや、書くけど。求められている間は書くけど。

読みたいって直接言ってくれる人がいなくなった瞬間書かなくなると思う。だって言葉にしてくれないとやる気が出ないから。一次創作はそこそこ踏ん張れるけど二次創作はビル風に吹かれたビニール袋並みの意思の弱さだから。









※この物語はどこからでも読める一話完結型ではございません。プロローグから順を追って読んでいただかないと意味がわからないと思います。





























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悪役令嬢が悪行の限りを尽くして何が悪い

【*第1章 ー悪役令嬢が奴隷拾ったら大抵その奴隷実は滅茶苦茶イケメンだよねー*】




〈第3話 『あー』と『Ahー』の違いはリンゴ一個分〉






ヴァンデミアの目の前でゆっくりと優雅だった貴婦人が倒れていく、それも笑顔のまま真後ろに。


(これはかなり…やばくないかしら。)


「奥様⁈奥様‼︎」


宝石も霞むほど麗しい貴婦人は笑顔でぶっ倒れ、一斉を風靡できるほどかっこよくダンディな紳士は魂が抜けたように立ち尽くし、床に座り込んだままの天使を凌駕する美貌の少女はこの状況を死んだ目で見守っていた。

KHAOS

正に混沌。一種異様の空気を纏うその異空間でくるくると立ち回るメイド達は流石プロというべきか肝が据わっているというべきか。

そんな優秀なメイド達により奥方は回収されてゆき、紳士はフットマンに支えられて『ヴァンデミア…ヴァンデミア…』と呟きながら去っていった。




















そして今、あれから数刻経った今、ヴァンデミアは強制ベッドinされ、その様子を食い入るように奥方と紳士が見つめていた。


「ヴァンデミアさん寝ててもかまわんよ」


一向に退こうのしなかった奥方をなんとか退け、ヴァンデミアは、ヴァンデミアが、と質問し続ける紳士をそれをこれから検査するんだと一蹴し、今ヴァンデミアの枕横に座り検査をしてくれているおじいちゃん先生だけがヴァンデミアの味方である。


(寝ろ?この状況で寝ろ?無理じゃない。だって目の前の方々の様子をご覧になって?見てる見てる、めっちゃ見てる、信じられないくらい見てる。あとおじさんはそろそろ瞬きしたほうがいいと思うわ。おばさんはシーツ握り締めすぎ。というかこの様子を見るにヴァンデミア一人っ子なのかしら、それか上三人全員男とか。お兄ちゃんか…いたら楽しいのかな。前世は妹しかいなかったし、なんか姉兄がいるのって想像できない。姉がいるのは絶対嫌ね、私みたいな姉がいたら発狂する、無理。そう思うと我が妹はよく今まで私の独裁政治に耐えてきたわよね…どんまい夢蝶[アゲハ]!)


「お嬢ちゃん、貴女の苗字を言うことができるかね。」


「…覚えていません。」


「あぁ、ヴァンデミア…」


(おばさん、そんな悲痛そうな声出さないで、苦しくなるから。んー、やっぱりかなり、いやよく見ると雰囲気以外ほぼ全部前世のお母さんとそっくりね。まぁ当然っちゃ当然かしら、だって私の容姿が寸分違わず形だけは一緒だから。

あと、他にも身体について。これは本当に体感的なことだからなんとも言えないけれど、この体の元の持ち主とかはきっといない。多分、この体は元から私のものだと思う。きっと今回のことは私死にます、その後輪廻転生します、ヴァンデミアとして生まれます、そしてこの地点で前世の記憶が戻ります、脳の容量を超えたためバックアップ機能で要らないと判断されたデータ翔びます、結果記憶を喪失しましたって流れだと思う。だから私の意識がこの体に入ったわけではなく、また元の身体の持ち主を追い出してしまった訳でもなく、唯思い出した。それだけな気がする。多分。

なんでこんなことが言えるのか、それは小指の爪垢だけないから。勿論身体がしっくりくる、なんの違和感もないって所もだけど、それは身体の造形が全く一緒だからかもしれないし。けれどこれは違う。恥ずかしい話、小指の爪垢だけ綺麗に取っちゃうのは前世の私のチック、要するに手癖だったから。でももしこの仮説が合ってたら生まれ変わってもチックが直ってなかったことになるのよね、なんか嫌だ。

やっぱり元の身体の持ち主いてくれ、頼むから私のチックは直ったと言ってくれ。)


「お嬢ちゃん、貴方の年齢は言えるかね。」


「わかりません。」


「ヴァンデミアぁ、そんな…」


(ごめんおじさん、そんなに強く私の手握り潰してもそこからぶちゅっと記憶が出るわけではないから、出るのは私の血とかリンパ液とかだけですから。それに眉根寄せすぎ、折角の男前が台無しよ?

うん、やっぱりおじさんも前世のお父さんに結構似てる。前世のお父さんをそのまま北欧人にしました、みたいな。

ま、私の家族一家揃って美形ってことでも有名だったから。

当然私も都一番の美人、そして才女だったから。

才女だったから。天才だったから。大切なことなので3回言いました。こんなに美人なのに美人なだけじゃない、最早完璧と言っても過言では…)


「それでは喉を見るからのぅ、あー、と声を出すんじゃよ。」


ヴァンデミアが医者の指示に従い口を開けると舌の上にひんやりとした金属器具が充てがわれた。何やら装飾のような模様が舌に当たる部分に施されている。


「あー。」


ヴァンデミアが間抜けな声を出す。気の抜けたなんとも言えない『あー。』である。『Ah ー』くらい出せないのか。


「ふむ…風邪は引いておらんから健康面では大丈夫じゃろう。身体の様子を見るに奇病というわけでもないじゃろう。詳しい検査をしたいのなら総合医療機関を訪ねると良い、まぁ何か外界的要因による突発性記憶喪失じゃろう。何かにぶつかったとかでもないのじゃろ?」


「は、はい。食事中にいきなり…」


(そうなのよね、おばさんの言う通り食事中突然、なのよね。なんでかしら。)


「うむ、それならこれから記憶が戻る可能性はかなり高い。脳が損傷していないのならまだ残っている部分があるかもしれん、まぁ焦らず普段通りに過ごすように。」


「あ、ありがとうございます先生。」


(おー、おじさん喜びに震えてるわね。なんかプレッシャーになるからあんま目うるうるさせないで欲しいのだけれど、それにダンディな人の目うるうるは結構きついものが…私おじさん趣味じゃないし。なんか記憶に残ってる方のお父さんに似てるし。やっば全世界のおじファンに殺される。)


「では、儂はこれで失礼するかの。」


「送迎の馬車はこちらで用意させて頂きましたわ。」


両親ともに腰を上げ送り迎えのため忙しそうに部屋を出て行く。


ぱたん、と。部屋の扉が閉まった。

すると、老医師は静かに言ったのだ。


「どんな前世を送っていたのかはわからんが、前世憑きはそれによって一時的に今世の記憶が翔ぶことがある。」

「っ?!なん」


なんでそのことを両親の前で説明しなかったとか、何故そんな秘密を教えるようにいうのかとか、その表情の意味はなんだとか、前世憑きとはなんのことだとか、一気に喉から溢れようとしてどん詰まる。


「ふむ…詳しく知りたいのなら儂の診療所まで来るとよい。まぁ兎に角記憶は戻るから安心せぇ。中道を行く。突き詰めればこれが一番平穏で、幸せで、難しい道じゃ。普通に暮らせばよい、深入りはよして、普通に暮らすんじゃ。」


それだけ言い残すと、柔和で優しいおじいちゃん先生は扉の向こうへと消えていった…




















続く



















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応援、誤字脱字報告お待ちしております。











【次回】

ヴァンデミアついに覚醒⁈⁈舐めプ*メイドを奈落の底へと突き落とす!

顕になるヴァンデミアの真の姿、周りのみんなもガックガク!次々とパワハラ発言を繰り返すお嬢様ことヴァンデミアの運命やいかに!

次回、「私の金はお前の命より重い」お楽しみに!


*舐めプ…ゲームやイベント、また自身のやるべき仕事を舐め切ってバカにした態度でプレイすること。


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