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「何だ? さっきからジロジロ見られて、落ち着かないな……」
「そんな事ないだろ」
廉が居心地悪そうに肩を竦めると、拓人は、笑みを湛えながら探りを入れ始めた。
「廉。お前、俺が紹介した売女……よっぽどお気に入りなんだな。お前は眉目秀麗だし、わざわざ女を金で買わなくても、数多くの女から言い寄ってくるんじゃないか?」
「…………そんな事はない。だが、お前が斡旋してくれた女…………いい身体をしているし、感度もいい。俺のオスとしての欲望も…………しっかりと満たしてくれる」
拓人は、鋭い眼差しを送ったまま、さらに深掘りをしようとするが、廉は、缶コーヒーに目を向けて、唇を微かに綻ばせた。
「あの売女、結構気が強いが、お前に対しても、そんな態度じゃないか?」
「拓人に言われて、初めて会うまでは、若干警戒していたが…………抱いている時も、話をしていても、いたって『普通の女』だ」
「へぇ。普通の女……か。だから、気に入ったって事か? お前、毎週のように、俺に連絡を入れていたもんなぁ」
彼の言葉に棘があるのを感じたのか、廉は、片眉を上げながら拓人に鋭い視線を放つ。
「ああそうだ、ひとつ言い忘れたが、あの売女…………前科一犯だぜ?」
拓人は、勝ち誇ったように、口角の片側を器用に吊り上げると、廉は、動揺してるのか、喉仏が上下にゆっくりと動くのを捉えた。
「それに……」
拓人が一度顔を俯かせ、短くため息を吐き出すと、腹を括ったように、勢い良く顔を上げた。
「廉が気に入っていなければ…………前科持ちの売女の身体全体に……キスマークなんて付けないよな?」
「…………っ」
廉が、狼狽えた表情を覗かせたのを、彼は見逃さなかった。
拓人はソファーから立ち上がると、ベッドルームへ入っていく。
『ちょっ……まだ…………整理、終わってないし!』
『いいから、こっちに来いよ』
拓人が女の腕を引っ張り、メインルームに戻ると、優子がヒュッと息を呑む音が、彼の鼓膜を掠める。
廉も、瞳を僅かに丸くさせたのを見た拓人は、不敵な笑みを映しながら、廉の前に優子と一緒に腰を下ろした。