後孔が疼く。
彼は、ねっとりと、指で中をかき混ぜて、俺を見た。
🖤「…………やめて」
❤️「やめて…いいの?…」
不敵に笑い、震える腰を掴む。
もうその後は、抗うことすらできなかった。
舘さんが、あっちの人だと知ったのは、たまたま会った二丁目のバー。
こんな所に出入りするのはやめようと思うのに、ジュニア時代のクセがどうしても抜けなくて、未だにふらりと寄ってしまう。
マスターは久しぶり、と軽く会釈をしてから、目線でカウンターの奥を指した。見慣れた横顔をよくよく見ると、そこには可愛らしい美少年を口説く舘さんがいた。
🖤「何やってんすか」
❤️「……目黒」
舘さんの目は据わっていて、大分酒が回っているのがすぐにわかった。
夜中も夜中の午前3時過ぎ。
こんな時間なら人目につかないだろうとやって来たのに、まさかメンバー、まさか舘さんのそういう場面に出くわすとは思わなかった。
どう見ても未成年のその客から舘さんを引き離し、俺たちは足早に店を出た。
🖤「送りますよ。家、どっち方面でしたっけ」
❤️「忘れた」
そう言って拗ねる舘さんが、なんだか可愛らしく見えた。
滅多に酒に呑まれたりしないのに、何かあったのだろうか。
その日、どうしても帰りたがらない舘さんを俺の家に連れて行き、一夜を共にしたのが始まりだった。
❤️「お、案外手慣れてんな」
今日は舘さんの家で、オムライスを作っている。器用に卵でチキンライスを包む舘さんの手つきの真似をして、俺も舘さんの分のオムライスを作った。
料理は好きなので、時々こうして教えてもらっている。舘さんと付き合うようになってから、料理のレパートリーも増えて食生活が豊かになった。
🖤「うまい!」
❤️「あ、そ。食べ終わったら……ケチャップ付いてるぞ」
指で俺の唇を拭き、そのままペロリと舐めて笑う舘さん。いちいち官能的で、どきっとする。ストレートに言うとエロい。
そしてそれをぼうっと見ていると、ツンとした顔に戻って隙を見せない。
弱いところや可愛いところを一切見せてはくれないのがこの人のいつもの顔だ。
すべて計算ずくなようで、俺はいつもその手の上で転がされている気がする。
🖤「舘さんてさぁ、いつもそうなの?」
❤️「なにが」
🖤「歴代の恋人にいつもそんなに澄ましてきたのって」
舘さんは長考して、俺が痺れを切らして片付けを始めた頃にようやく答えた。
❤️「目黒といると楽だよ」
手を止め、言われた意味を考える。
それきり舘さんは黙ってしまった。
🖤「ちょっとわかんないかも」
❤️「そうか」
そう言って、悲しそうに目を伏せたので、俺は慌てた。
🖤「楽、は特別?」
❤️「……かなり特別」
そう言って、赤くなった顔を逸らしたので、俺は周回遅れで胸がきゅんとするのを感じた。
おわり。
コメント
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おかわり。 周回遅れでドキドキするめめ、これ以上なくめめって感じ。
あらいいね❤️🖤良き良き✨✨