テラーノベル
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「樹にぃぃぃ!!」
玄関が開いた瞬間。
ジェシーがロケットみたいに飛び込んできた。
「うおっ!?」
帰宅したばかりの樹にダイブ成功。
「おかえりぃぃ!!」
「危ねぇって」
口ではそう言いながら、ちゃんと受け止める。
その様子を見て、涼介が笑った。
「樹って弟には甘いよな」
「は?」
「否定できないやつだ」
☆
高一の樹は、学校では有名なヤンキーだ。
金髪。
ピアス。
ケンカ強い。
先生に目つけられてる。
だが家では。
「樹にぃ、これむずい」
「ん?」
北斗が持ってきたのは算数ドリル。
樹、固まる。
「……わかんねぇ」
「えっ」
「オレ頭悪ぃもん」
堂々としてた。
優吾が吹き出す。
「威張るな」
☆
すると樹は、なぜか風磨を呼び始めた。
「風磨ァ!!」
「なんだよ!」
「算数!!」
「おまえが教えるんじゃねぇの!?」
「無理!!」
☆
数分後。
結局こうなった。
風磨→勉強教える
樹→隣で応援
「北斗いける!!」
「そこ3!」
「たぶん!!」
「適当だなぁ!」
でも北斗は楽しそうだった。
☆
その時。
康二が静かに樹の隣に座った。
「……じゅり にぃ」
「んー?」
「これ」
差し出したのは折り紙。
ぐちゃぐちゃだった。
「なにこれ」
「いぬ」
「犬!?」
全員笑う。
康二は少し不安そうになる。
すると樹は即座に言った。
「めっちゃうまいじゃん」
康二、ぱっと顔が明るくなる。
「……ほんと?」
「おう」
頭をわしゃわしゃ撫でる。
風磨が小声で呟いた。
「こういうとこなんだよな」
☆
だが。
そんな平和は長く続かない。
ドンッ!!!
突然、リビングから音。
全員「!?」
見れば。
慎太郎が棚の前で固まっていた。
その横には落ちた花瓶。
「あ」
静寂。
慎太郎、涙目。
「……しぇんたろ じゃない…」
完全にやった顔。
☆
その瞬間。
樹が前に出た。
「オレ」
全員「は?」
「オレがぶつかった」
慎太郎が驚いて樹を見る。
風磨はすぐ察した。
「……おまえ優しい嘘つくなぁ」
だがそこへ。
タイミング最悪。
拓也帰宅。
「……何割れた?」
終わった。
☆
数分後。
樹だけ正座。
「なんでオレだけ!?」
「おまえがやったって言ったからだろ」
「理不尽!!」
だが慎太郎は泣きそうな顔。
小さな手で樹の服をぎゅっと掴む。
「……じゅりにぃ ごめ」
樹は一瞬黙って。
それから笑った。
「気にすんな」
「でも……」
「しぇんたろ泣く方がめんどくせぇ」
「最低な慰め方」
優吾が笑う。
☆
その夜。
拓也はこっそり樹を呼び止めた。
「樹」
「ん?」
「……ありがとな」
樹は少し照れたように視線を逸らす。
「別に」
「でも次から正直に言え」
「バレてた?」
「顔に出る」
樹、爆笑。
その時。
後ろからジェシーが飛びついた。
「じゅりにぃすきーー!!」
康二もくっつく。
「……すき」
慎太郎まで抱きつく。
「じゅりにぃ しゅき」
樹、動けない。
涼介「モテモテ」
優吾「弟ホイホイ」
風磨「顔ニヤけてる」
「うるっせぇぇぇ!!!」
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
ぬっしーside
ちょっと樹メイン多いかも???
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コメント
1件
読み終えました!第11話、めっちゃ良かったです…!学校ではケンカ最強のヤンキーなのに、家では弟たちに激甘な樹くん、そのギャップがたまらないですね(笑) 特に、折り紙のぐちゃぐちゃな犬を「めっちゃうまい」って言って撫でるシーンは胸が温かくなりました。花瓶割りの嘘かばいも、バレてるのに「気にすんな」って笑顔になれるお兄ちゃん、最高すぎます。ジェシーの飛びつきから慎太郎・康二の連続ハグで固まる樹くん、顔がにやけてた風磨くんのツッコミも好きです。今回もUdonさんの「家族ってこうだよな」という優しい視点がしっかり感じられて、とても幸せな気持ちになりました!続きも楽しみにしてますね!