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ふたりで泳いだ海は僕の墓
中学2年生の僕には好きな人がいた
こんな弱々しい僕にも優しくしてくれる、佐藤さん。
でも、最近彼女が姿を見せない
寂しくて、心に穴が空いたようだった
5日ほど経った
風邪かな?
担任の先生は何も言わなかった
彼女には親がいないから、そういえば、おばあちゃんがひとりで佐藤さんを育ててるんだっけ。まあ大変だし、連絡する余裕もなかったんだろう。
放課後になり、心配になって彼女の家に言った。
インターホンを押す。
数分、出てこなかった。
また押す
数分立ってもまだ出てこない。
更に心配になり、ドアノブを握る
あれ?
開いてる。
何をしているんだ、家に誰もいないなら危ないから鍵を閉めなくちゃダメなのに。
ドアを少し開ける
「臭い……」
腐敗臭のような、ものすごく生臭い匂いがした。
僕は鼻をつまみながら中に入る。
涙が出そうなほど匂いがきつかった
リビングに行くと、もっと酷くなる。
リビングの扉を開けると
倒れている。
溶けているのか、人間の形じゃない気がした。
気持ち悪い
僕はそう思って、吐いてしまった。
きつい匂い
腐敗した死体
経験したことがない。
死んだの?
佐藤さんは。
警察を呼んだ。
事情を沢山聞かれ、全て答えられる限りのことを答えた。
警察の人は優しく僕を落ち着かせてくれた。
でも、鼻の奥のにあるあの匂いと記憶にこびりついた死体だけは消えなかった。
数週間後、それは孤独死によるものだった
なぜ?
おばあちゃんがいるのに。
詳しく聞くと、おばあちゃんは数週間後前に死んだ……というより、消えた。
佐藤さんのことを育てるのがだんだんきつくなっていったのだろう。
だからって、捨てるなんて……
それより、佐藤さんが死んだことが何よりの絶望だった。
……でも、おばあちゃんが死んだだけで孤独死なんておかしいはず……どこかの親戚に引き取られたり、しなかったのかな
全て佐藤さんが断ったらしい
なぜ?
前のことを思い出す。
佐藤さんの机に書かれた落書き、
ぐしゃぐしゃになったノート、
ゴミ箱に入っている靴、
グループLINEに送られてきたあの写真
クラスのみんなのクスクス笑う声
パズルのピースがはまった
佐藤さんは虐められていて、おばあちゃんも消えて、人生に耐えられなくなって……この世を去ったのか
僕のせいだ
僕がもっと早く気づいていれば
もっと近くにいたら
ちゃんと声をかけていたら……
自分が憎くて仕方なかった
僕の心に、復讐の感情が芽生えた
それはドロドロしていて、
熱くて、
汚くて、
とても怖いもの
僕は決めた
佐藤さんの代わりに、あいつらを殺す
絶対に許さない
佐藤さんを返せ
返して
僕はホームセンターでノコギリ、縄を買った
家にチェンソーがあった気もした
夏休みが、僕の人生最大の復讐をする日
#どろどろ系
もあ
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さぶれ-SABURE-
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コメント
1件
もあさん、読了しました…… 冒頭の優しい回想から一転して、腐敗臭や溶けた遺体へ急降りするところ、胸がぎゅっとなりました。それまで気づけなかった自分を責める主人公の自責と、ドロドロした復讐心——この感情の移り変わりが生々しくて、とても切ないです。虐めの犠牲になった佐藤さんの無念を思うと、彼の決意にも共感してしまいました。 続き、とても気になります……!