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stpl 紫赤 様
誤字脱字注意
日本語おかしい
雨が降る日も、晴れた日も、
俺たちは同じ時間を過ごしているのに、言葉にはできない。
彼は俳優の顔でいるときも、オタクの顔で俺を見るときも、
変わらず可愛い。泣きそうな顔で笑ったり、慌てて目を逸らしたり。
そのたび、胸がぎゅっとなる。
「……今日、見に来てくれるんですか?」
ステージ裏で、彼が訊く。
それだけで、心臓が跳ねる。
「もちろん」
軽く答えて、手を差し出すと、彼は一瞬迷ってから握る。
触れるだけで、身体の奥が熱くなるのに、言葉にはできない。
(……好きだって、言ったら壊れる気がする)
それを彼も、同じように思っているのかもしれない。
でも、互いに目を逸らして、触れるだけで我慢する。
夜、二人で飲みに行くと、距離は近い。
でも、肩や手に触れるのは自然に装いながら、意識してるのが伝わる。
「……あなたのこと、見ると……変な気持ちになります」
耳元で囁かれて、心臓が止まりそうになる。
それでも、俺は笑って誤魔化す。
「……俺も、同じだよ」
口には出さず、指先で軽く触れるだけ。
それが精一杯の告白だった。
その夜、彼を家まで送る。
エレベーターの中、自然と手が絡んで、指先が熱を帯びる。
「……今夜は……」
「ん?」
「……近いです……」
「距離、詰めすぎた?」
「……いいです……」
そのまま抱き寄せる。
でも、キスはしない。
唇を重ねたら、全てが終わってしまう気がして。
抱きしめるだけ。
胸に顔を埋めて、彼の息を感じるだけ。
(……それでも十分、たまらなく幸せだ)
でも、夜が明けると、現実が戻ってくる。
お互いの仕事、役者とアイドルとしての立場、そして――
お互いが互いの推しであることも、まだ知らない。
触れるだけで心が熱くなるのに、言葉にできない。
笑い合い、手を絡め合い、でも**「好き」とは言わない日々**。
その甘さと苦さが、俺たちをジリジリと近づける。
「……また、来てくれますか?」
「もちろん」
答えると、彼は小さく頷く。
その仕草だけで、胸がいっぱいになる。
(……告白はまだ、しない)
言わないことで守れるものもある。
でも、抑えきれない感情が、毎日少しずつ疼いている。
甘くて苦しい日々――それが、俺たちの関係だった。