「私たち、距離を置きましょう」
「……」
目を見開き、今、私が言葉にしたことが信じられないといった表情の太一くんはわなわなと震え出す。
それから一気に空気が抜けていくみたいに、ガクンと俯き、いつもシャキっと伸びた背中は丸まってしまった。
ボソボソと何か言っているようだけど、聞き取れなくて至近距離まで近づいてみる。
「……俺のこと、嫌いになった……?」
「え?」
「俺は嫌だよ。一花ちゃんと別れるなんて……」
彼は相当混乱しているらしい。
誰も別れるなんて言っていない。
「そうじゃなくて、職場ではこういうことを控えてって言ってるの。太一くんのこと嫌いになってなんかないし、別れたいなんて思ってない」
「……本当?」
私の顔色を窺うように視線を上げる太一くんがなんだか可愛いな、なんて思いながらも、少しでも安心して欲しくてその頬に触れた。
そうすると悲しみに満ちていた顔が一************************
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