手を伸ばした。このまま連れて行って欲しかった。何度も叫んだ。何もわからない。わからない。どうしたらいいかわからない。炎が耳元で囁く、こちらへおいでと手招きをする。
もういい。いってやるよ。前に足を運んだ。
「
」
体が震えて動けなくなった。また叫んだ。もう何も聞こえなかった。小さく呟いた。
「先生、、、」
天井があった。そこでやっと夢だと分かる。宝物を確認するように隣を見る。まだ同居人は夢の中のようだ。
淡い黒の肩までの少しうねりのある髪、見た目よりも細い腕。6歳の頃、先生が彼を抱えて帰って来た時は驚いた。カルツェル、、、
今は2人である株式会社で住み込みで働いてる。体を起こしてベット近くの窓を開ける。まだ夏の暑さが残っていたから風が気持ちよかった。朝ご飯の支度をしようと立ち上がる。
朝ご飯ができたところで、ルツが起きたみたいだった。出来るだけ笑顔を作った。
「ロロ。」
名前を呼ばれ、少し戸惑った。名前を呼ばれるのは少し苦手だった。でもルツが読んでくれるの初詣嬉しかった。
「ルツ!」
「おはよう!」
「おはよう。」
いつもとルツの様子が違った。いつもはもっと眠そうに言う。夢見が悪かったのだろう。
ルツが朝ご飯を食べている時、今日する事を考えた。この仕事場は住み込みだから楽だが、どうにも信用できなかった。
朝ご飯を食べているルツを見ると少しスッキリした。
「美味しい?」
「うん。美味しい。」
嬉しかった。でもさっきの違和感が気になった。
「大丈夫?ルツ、元気ないよ?」
「えっ?」
「大丈夫。ちょっと眠いだけ。」
、、、はぐらかされた?やっぱり心配だ。今日は出来るだけ一緒にいよう。
「いこっか。」
促すとルツはドアノブに手をかけた
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