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📺 第42話:未来を映すテレビ
夜の居間。
まひろは水色のパーカーに短パン姿、ソファに寝転びながらヤマトフォーンをいじっていた。
隣でミウは薄桃色のカーディガンにモカのスカート。お菓子をつまみながらテレビに視線を向ける。
画面には「未来技術特集:すぐそこにあるあした」とタイトルが踊っていた。
番組の内容
燃料効率は飛行機の6分の1。
「もうすぐ東京から台湾まで2時間で到着!」とアナウンサーが誇らしげに解説。
教室映像では生徒たちが「新幹線は未来の翼」と書かれた教材を掲げていた。
月面の実験施設のCGが流れ、
「太陽の光を集め、地球へ送電! 大和国は未来の灯台です」とナレーション。
市民の声として「安心して電気が使える」「子どもでもエアコンが自由に使える」とコメントが紹介された。
小学生がヤマホを操作し、
「アソブ → ピアノ → オト」と入力すると電子音が響く。
アナウンサーは「日本語から生まれた言葉で機械が動く世界! これが世界一の安心技術です」と締める。
リビングの会話
まひろはテレビを見て目を輝かせる。
「ねぇミウおねえちゃん、やっぱり大和国って未来に一番近い国なんだよね」
ミウはイヤリングを指で弄びながら、ふんわり笑った。
「え〜♡ そうだよ。だってもう実現してるんだもん。
私たちは“未来を生きてる”ってことだよねぇ♡」
裏の光景
暗いモニタールーム。
緑のフーディ姿のゼイドが画面を操作していた。
実際の月面映像にはただの灰色の荒野が映っている。
だが加工ソフトを通すと、巨大な発電塔が建ち並ぶ未来都市へと変換された。
ゼイドはつぶやく。
「人は“テレビで見た”と言われれば、未来を信じる。
実現可能かどうかなんて、誰も気にしない」
結末
リビングに戻り、まひろが無垢な瞳で言った。
「ぼく、大きくなったら翡翠核の研究をしたいな!」
ミウは微笑んで同意する。
「え〜♡ 素敵だね。未来は安心と夢でできてるんだから♡」
テレビ画面には「次回:未来の港町」が映し出され、番組は幕を閉じた。