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60 - 第1話「潜入、碧い国境」

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2025年03月23日

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第1話「潜入、碧い国境」


🚶 シーン1:境界の闇を越えて


荒れ果てた街並みに赤い夕日が沈む。

鉄錆びたビルと、崩れかけた道路。そこはかつて「韓国」と呼ばれた地域だった。

だが今では、中国のフラクタル侵攻によって地図上からその名は消えている。


瓦礫の影から、影のように三つの人影が現れた。先頭を歩くのはナヴィス。

明るい碧い瞳に、くせのある無造作な黒髪。フード付きのグレーコートが風に揺れる。


「……この国境、やっぱり“におう”な」


彼は低く呟き、背後に目を向けた。そこにはゼインとギアがいた。

ゼインはいつものジャケットに身を包み、鋭い目で辺りを警戒している。

ギアは金属片を縫い合わせたようなコートを羽織り、マルチレンズのゴーグルで周囲をスキャンしていた。


「この先は、星峰特区の手前。もう赫察総局の目があるぞ」とギアが呟く。

その瞬間、すずかAIがナヴィスの耳元で静かに告げる。


「探知範囲に熱源反応3つ、距離20メートル。おそらく、碧族兵士です」


「回り込まれたか……。ゼイン、前衛頼む!」


🚨 シーン2:先制の一撃


ゼインがフラクタルを起動する。

彼の碧色の腕模様が淡く光を放ち、足元に碧白い模様が浮かぶ。


「《エクリプス・スラスト》!」


一瞬で間合いを詰めるゼイン。その動きは影のように速く、敵の1人を吹き飛ばす。

敵兵は仮面で顔を隠していたが、反応速度は高い。すぐに反撃のフラクタルを放つ。


「《レッドペネトレーター》!」


だがゼインは軽く飛び退き、反射的に腕を振る。


「《リバースバリア》!」


反射された紅い光線が敵に直撃し、爆発のような衝撃が広がる。


「いいねぇ、そのタイミング!」ナヴィスが笑いながら、手をかざした。


「こっちはこっちでやらせてもらうか。《フォールトシフト》!」


ナヴィスの姿が一瞬で消え、次の瞬間にはもう敵の背後へ。

碧色の光が刃となって跳ね、敵兵を叩き落とす。


🛠 シーン3:ギアの支援戦術


「お前ら、派手にやるなぁ……。俺もやるか」

ギアが片膝をつき、地面に手をかざす。スパークするような光が走り、ナノサイズのドローンが展開される。


「《トラップグリッド:スパークロック》!」


瓦礫に仕掛けた罠が敵兵を拘束し、ギアが無感情に呟く。


「これが“効率的”なやり方だ」


拘束された敵兵が碧素を暴走させかけた瞬間、ナヴィスが静かに手を掲げる。


「《サンクチュアリ・コード》」


緑の結界が広がり、敵のフラクタル暴走を抑え込む。

戦場の空気が一瞬静かになる。


🗺 シーン4:突入前夜


全ての敵が倒れると、三人は小高い丘の上へと進む。

そこからは、荒れた街の奥に広がる、巨大な黒い壁が見えた。


「……あれが星峰特区の境界か」


ナヴィスが言う。風が彼の髪を揺らし、すずかAIの音声が再び響く。


「中国政府が管理する碧族兵士の育成・管理区画。全体でおよそ70万人の碧族が管理下に置かれています」


「地獄ってやつだな」


ゼインが低く呟き、ギアが短く鼻で笑った。


「俺たち、マジでここを変えるつもりか?」


ナヴィスは静かに頷く。


「変えるさ。ひとりでも多く、あの“碧い扉”をくぐらせるためにな」


——物語は、ここから始まる。


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