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「被告人を死刑に処す。以上閉廷」
あっ。
裁判長の声が響く。
終わったと思った______
ーーーーーーーーーーー
ただ平凡な日々だった。
ただ全ては「あの日変わってしまった。」
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「ねぇ、、、、凸さん。」
とても息の上がったうたちゃん。ことうたいさんから電話がなっていた。
ただいつもはうたいさんから電話をかけてることなんてない。それだけで異常事態だと言うことに気付かされる。そして何より。
尋常じゃないくらいうたちゃんの声が震えて全てに怯えてるようだった______
「うた、、、、ちゃん?」
「僕、、、、ね、、、、」
震えて今にも泣き出しそうな声だった。
「大丈夫。ゆっくりでいいから。うたちゃんが話したくなったら言って。」
「違う僕は、、、、僕は今、、、、今言わないと、、、、!」
相当時間が無いような様子だった。
編集が間に合わなくてもここまで焦っているうたちゃんは見たことがない。本当にやばいのだろう。
「うたちゃん今どこいる?」
「い、家、、、、ってだ、ダ___」
考えるよりも先に俺は家を出てうたちゃんの元へと駆け出していた。何かを伝えようとしていた気がする。
幼なじみであるうたちゃんは流石にほっとけなかった、、、、
ってことはさもさんにも連絡いってるのかな、、、、知らんけど、、、、
ただあの感じだと俺だけで手一杯なんだろうな、、、、
ーーーーーーーーーー
「うたちゃんっ!」
「と、凸さん!きちゃ、、、、!きちゃダメ!」
久々にリアルで見たうたちゃんは、、、、
血濡れていた。
感じ的に返り血である。
それだけで想像がついてしまう。
「凸さん今裏口から出たらまだ間に合う、、、、!だから、、、、だから!僕に構わないで、、、、!」
「お前、、、、!と、とりあえず隠れとけ、、、、!」
「でも凸さんっ!」
「とりあえず、、、、落ち着け」
「でも僕、、、、!僕、、、、!」
「まず何があった。いくらうたちゃんでも理由なしにやるなんて、、、、」
「僕の、、、、僕達の、、、、!」
あぁ大切なもの奪われそうだったんか、、、、?
うたちゃんは一つだけ大切なものを持っていた。
それは、、、、俺達が小さい時にあれやりたいこれやりたいと行っていたゲームシステムをまとめたノート。
今でこそうたちゃんが実現しようとしてるもの。
子供が考えたものにしてはなかなかほかの人達が思いつかなく、なかなかに価値のあるもので世間からも期待されている。
それをきっと取ろうとしたヤツらがいたのだろう。
「集団規模で、、、、襲われて、、、、それで、、、、それで、、、、!」
「わかったわかった。とりあえずお前は逃げろ。」
「で、でも、、、、!」
「まだ猶予はあるだろ?」
「凸さんは!!!凸さんはどうするの!!」
「俺が、、、、肩代わりする。」
多分正当防衛にしてはやりすぎだ。
きっと、、、、
「そんなことしたら、、、、!!」
「お前、、、、お前だけまだ夢叶ってねーだろ?」
「、、、、でもそんなことだけで凸さんの人生棒に振るなんて、、、、!」
「はいはいつべこべ言わず。お前の、、、、俺たちの夢。託したぞ。俺が変わっとくからお前は別のもんに着替えて逃げろ。」
遠くからサイレン音が聞こえる。
しばらく立てこもるか、、、、
うたちゃんの時間稼ぎのために。
ーーーーーーーーーーー
そして現在。
俺は最高裁判所に被疑者として立たせられている。
うたちゃんの話題は1ミリも出ていないそれが救いだった。
そして、、、、
死刑判決が言い渡された今。監獄ではなく、拘留所に入れられる。
これで、、、、これでいい、、、、
うたちゃんとさもさんと俺たち3人の夢。俺はしっかりうたちゃんに託した。
さぁ、、、、さもさんにはどう伝えようか。
車内で、担当の看守が俺に声をかける
「お前死刑囚になったから、拘留所に行くことになるし、担当変わるからな」
「えっ?看守じゃないんですか?!」
「あぁ。そうだ。脱獄しようにもできないぞ。俺より遥かに優秀で若いやつがお前の新しい担当だ。」
これからどうなんだろう、、、、
ーーーーーーーーーーー
「さっ着いたぞ。そしてお前の担当はこの人だ。」
一瞬嫌な顔をしてしまったかもしれない、、、、
だって、、、、だってだってそこには、、、、
特徴的なオレンジ髪。
見間違えるはずがない。
「お前の新しい担当のさぁーもんだ。頼んだぞ。」
うたちゃんの真相はきっと知らない。
隠さないと。
ちゃんと隠さないと。
彼の蔑むわけでもなく、ただ痛たましくみるようなその目がすごく気持ち悪かった。
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次の日
死刑囚はそうそういないから囚人番号ではなく名前で呼ばれるらしい
「凸もりさん。面会来てるって。」
ちっ、、、、またあいつ、、、、
てかさもさんに凸もりさんって、、、
もう戻れないんだ、、、、
ーーーーーーー
「凸さんっ!!!」
「うたちゃんお前、、、、!」
「来んなって言ってるのはわかってるでも、、、、でも、、、、それでも、、、、」
「お前の存在がバレたら、、、、俺たちの、、、、お前の夢が、、、、」
「でも、、、、でも、、、、!凸さんの看守はさもさんで、、、、」
うたちゃんは1拍を置いて告げた。
「さもさんは、、、、凸さんの、、、、彼氏でも、、、、あるでしょ?それなのに、、、、」
「、、、、」
相当自責の念に駆られてるのがわかった。
でもきっとそれはうたちゃんでも同じだ。
うたちゃんはさもさんと幼なじみで、、、、
どっちになっても変わんなかった。
たまたま、、、、たまたま俺とさもさんが恋人だっただけで、、、、
何も
何も変わらない。
「うたちゃん。俺はもう時間が無い。」
「やめてっ、、、、!わかってる、、、、わかってるんだよ、、、、でも!」
「お前が死ぬほど罪悪感に駆られてるのもわかってる。むしろ申し訳ないことしてるとも思ってる。ただ、、、、俺たちの最初で最後の3人の夢。叶えられるのは、、、、お前だけなんだよ、、、、それを押し付けるようなことをあんまりしちゃ行けないとも思ってる。でも、、、、俺からの、、、、最期のお願い」
「わかった、、、、凸さん、、、、きっと僕はもうここに来れない。」
「あぁ分かってる。」
これ以上はうたちゃんまで疑われかねない。
疑われてしまうぐらいなら来ない方がマシだ。
「幼なじみとして、、、、大好きだった凸さんいなくなるのは、、、、寂しいな、、、、」
「そんな事言うなよ。凸さんはうたちゃんの心の中にいんだから」
そこにはいつものように「気持ち悪い」と返さないでただ無言で頷くうたちゃんしかいなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーー
それから何日か経った。
看守であるさもさんとはいくらでも話せたのに一言も喋ることは無かった。
ある朝の8時のことだった。
「今日。執行日です。」
あぁ、、、、終わりか、、、、
「そして、、、、教誨師の方が体調不良なので、、、、僕が代わりを担当いたします。」
ーーーーーーーーー
教誨室
気まずい。
「ねぇ凸さん。」
やっと声をかけられた。
「ほんとに、、、、凸さんがやったの、、、、?ほんとにあんなに残忍なこと、、、、凸さんが、、、、」
「、、、、うん。ごめん。こんな死刑囚が恋人、、、、なんて嫌だったよね。」
「ねぇ、、、、まだ、、、、傍に、、、、」
「警官が死刑囚にそんなこと言っちゃいかんでしょ」
「それに、、、、さもさんには俺以外だって俺以上の恋人候補だっていんだろうよ。ななっし〜とかべるちゃんとか。」
「けど、、、、けど俺は凸さんが、、、、好き、、、、なの。」
こんなに甘えられたのはいつぶりだろう。
あーぁ。こんなに甘えられたら未練出来ちゃうじゃん。
最後にこの感覚を忘れたくない、、、、
「さもさん。こんなダメダメな俺だけど好きでいてくれてありがとう。恋人として不甲斐なかったと思う。警官なのに死刑囚が恋人とかほんとに悪いと思ってるでも、、、、でも俺も、、、、さもさんのこと好きだよ。」
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前室
時間はあっという間で、1時間はとっくにすぎていた。
今は手錠をかけられ目隠しをされている最中である。
あぁ。
終わるんだ。
ほんとに終わるんだ。
どこで俺たち間違えたんだろう。
俺たちは幼なじみで俺とさもさんは恋人ででも俺はうたちゃんのこと庇ってそれでさもさんのこと悲しませて。
別にうたちゃんが悪いわけでも、さもさんが悪い訳でもない。
俺が見だした結果である。
自業自得だ。
さもさんは警官になるという夢を今立派に叶えている。
俺は3人で居られればなんでもいいと思った。それだけで充分な人生だった。
ただ、、、、唯一うたちゃんだけは夢を叶えられていなかった。
恋人として幼なじみとしてさもさんには本当に申し訳ないとは思ってるでも、、、、
1人だけ叶えられないのは許せないと思ってしまった。
ある意味優柔不断な俺にとって正しい終焉なのかもしれない。
そんなことを考えていると処刑場に出され首に縄が掛けられていた。
本当に終わり。
ありがとう。うたちゃん
大好きだよ。さもさん_____