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「奏……」
怜の低い声が奏の身体中に浸透していくと、腰から背中にかけてゾクゾクと泡立つ。
両手で胸を隠そうとすると、大きな手が細い手首を掴み、阻止した。
「隠さなくていい。すごく……綺麗だ」
長い指先が、奏の頬に触れた後、唇を塞ぐ。
「んっ……」
鼻にかかった吐息が無意識に零れたと同時に、怜の舌が奏の口腔内に入ってくる。
人肌の温もりに包まれながら、怜と奏の舌が絡み合い、寝室に水音が漂い始めた。
彼女の唇と舌を堪能するように、怜は敢えて水音を立たせるが、初めて聞く卑猥な音色に、奏は耳を覆いたくなってしまう。
細い首の下に腕を通し、彼の唇が頬から首筋へと伝う。
互いの体温が溶け合い、肌に馴染む感触が気持ちいい。
頬に触れていた怜の筋張った手が、奏の胸の膨らみへと滑っていき、包み込むと、円を描くようにゆっくりと揉み上げ、色を含んだ吐息が奏の唇から零れた。
「っ……はあっ…………んっ……」
怜に触れられ、あられもない息遣いをしている事に気付いた彼女は、顔に熱が集中し、顔を逸らすと、彼は柔肌の頬に触れ、奏を自身の方に向かせる。
「奏。感じるのか?」
身体の奥底から湧き上がる疼きを感じながら、奏は辿々しく頷いた。
好きな男の人に肌を触れられる事が、こんなに気持ちいい事を知らなかった彼女は、瞳を潤ませ、怜を見つめる事しかできない。
「奏の感じている声……俺にもっと……聞かせてくれ……」
吐息混じりに言いながら、怜は乳房を優しく弄り、頂に実る小さな果実を口に含みながら舐め転がした。
「あぁっ……」
怜の前で、はしたない声を上げてしまい、奏はこのまま消え去りたい、と思ってしまう。
彼は尚も、彼女の熟れた果実を唇と舌で味わい続けている。
身体の内側から湧き続ける甘美な疼きは、怜が触れる事によって甘ったるくドロドロとしたものへ変化し、奏の身体全体へと広がっていく。
いつしか愉悦を滲ませている奏の表情。
丹念に双丘を愛撫し続ける怜の舌遣いに、彼女は堪らず身体を捩らせながら声を上げた。
「んあっ……はぁっ…………あっ……」
「奏…………可愛い……」
奏の反応に、怜は柔らかな乳房を舐めしゃぶる事に没頭しているようだ。
恋人が自らの愛撫で身じろぎし、淫らな声と吐息を零している。
奏は恥ずかしいようだったが、怜にとっては嬉しくもあり、愛おしさで溢れた。
柔肌の膨らみをひとしきり味わった後、怜は顔を離し奏を見下ろして、笑みを見せる。
ところが、快楽に揺蕩う表情を浮かべていた奏は、突如強張った表情に変わり、身体を硬直させて小刻みに震え出した。
「奏……?」
怜は眉間に皺を寄せながら、険しい表情で呼びかけた。