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「今日はもう寝るのかい?」
二階への階段を上りながら『彼』に問われた。
「あ、うん。疲れたしね、人形作りは作業が細かいから」
「そうか、うん。それがいいよ」
不自然なくらい優しい笑顔が目の前にある。階段を上がるだけでもお姫様抱っことか、私の脚はどこかへ消えてしまったのかって感じだ。
「ゆっくり休んでね。明日の朝御飯は、何にしようかなぁ」
二階の廊下にたどり着き、寝室へと向かう。事前に準備が済んでいたのか扉はもう開いていて、室内にはスムーズに入れた。
何度もこの部屋に運ばれているが、『ベッドに連れて行かれる』という行為は何度経験しても緊張する。狭い部屋を占拠する大きな天蓋付きのベッドは存在感があり過ぎて、毎夜見上げながら『邪魔だな』とも思ってしまう。だけど……それと当時に少しの安心感も得られていた。
ロイさんとの一夜は妄想じゃ無かったのだと、嫌でも実感出来る瞬間でもあるのだから。
そっと私をベッドに下ろして布団をかけてくれる。いつもの事だが、ここまで丁寧にされるような価値が自分には無いのにどうしてここまでされるのか。毎度毎度不思議でならない。
「子守唄でも歌おうか?」
何故『彼』はここまでしてくれるのかと無意識にジッと見詰めてしまっていたせいか、いつもは言わない台詞を言われて我に返った。
「いらない!いらないよ、そんなの!子供じゃないんだから。おやすみ‼︎」
頭まで布団をかぶり、顔を隠す。子守唄というものはちょっと魅力的だが、ロイさんと同じ声でそんなモノ歌われたら逆に寝られる気がしないので断った。
「……あぁ。また後でね」
布団越しに『彼』が私の頭にキスをしてきた気がする。今日は普段しない事ばかりされて、また小さな違和感を抱いた。いつもなら『おやすみなさい、いい夢を』と言ってくれるのに、どうしたのだろう? 何故?とは思うが、お風呂で温まった体と疲れが私をアッサリと眠りの世界へと誘っていった。
「……ん?」
眠っていたはずなのに、何故かふと違和感を抱き、私は重い瞼を開いた。
「んんんっ?」
目に入った光景に驚き、反射的に声をあげようとしたが、口にボール状の猿轡がされていて声が出ない。
(こんな物が何故ウチに⁈)
腕を動かそうとしたが動かず、『何が起きているの?』と思い上を見ると、私の両手は手錠でヘッドボードのポールにつながれていていた。
(誰が、こんな……)
視線を前方に移すと、当たり前の様に『彼』と目が合った。
「あぁ、やっと起きたのかい?もっと寝ていても良かったのに。睡眠姦とか、ちょっと興味があったのになぁ」
悪びれた様子もなく『彼』はそう言うと、私が着ているパジャマの前ボタンを上から一つづつ外し、慎ましやかな胸元を露出させていく。こんな事を何故『彼』が?と思いながらジッと見ていると、ニコッと意地悪く微笑まれた。
「そろそろ前回から三ヶ月経ったろう?君でも欲求不満になる頃かなと思ったんだ。『僕』が相手で申し訳ないけど、解消させてあげたいんだよ。今のままじゃ辛いよね。人形作りに打ち込めていない原因もコレじゃないかなって思うんだ」
(そんな事はない!私はただゆっくり眠りたい!)
そう思うのに猿轡が邪魔で言えない為、代わりに私は体を必死によじった。そのせいで肌の露出がアップしてしまい、しまった!と今更思ったが……残念ながらもう遅い。
「うわぁ……相変わらず可愛らしい胸だね」
嫌味にしか聞こえない台詞を吐き、ウットリとした表情の『彼』が、自分から見せてしまった私のこじんまりとした胸をスッと撫でる。そんな動きだけで体が反応し、先の尖りが硬さを持ってしまった。ぷっくりとささやかに存在を主張する胸先を『彼』が楽しそうに微笑みながら、容赦無くギュッと摘む。
「んふぐっ!」
背中を反らし、ベッドの上で体がビクッと跳ねた。そんな私の両脚の間に座り、人の両胸をまるでオモチャで遊ぶ子供の様な無邪気な顔で『彼』が揉んだり摘んだりと、色々してくる。
「ふぐぅぅっ!」
体がプルプルと震え、腕を無理矢理動かそうとしたが鉄製の手錠とヘッドボードがぶつかる音が部屋の中に響くだけで全然外れそうにない。
(いや待て。コレ、本物……なんじゃないだろうか)
「前に触れた時よりも少し大きくなったね。まぁ、本当にちょっとだけど!」
一言余計だ!と言いたいのに言えないのが悔しい。無理矢理寄せて谷間を作ろうとされたが、サッパリ出来上がらず『彼』に渋い顔をされた。
「ステーキでも食べる?生クリームを沢山とか?そもそも胸を育てるって、揉む以外に何をしたらいいんだろうね?」
(貧乳に不満があるならもう他を当たれ!あ、いや……片目だけの『人形』が外に出て、女漁りはマズイのか)
妙に冷静になった瞬間、胸の尖りを指で弾かれた。
「君が気を散らしちゃダメだよ。それは『僕』だけしか許さない」
勝手な事を言ったと思ったら、口に右胸の先を含み、吸い上げ始める。左胸を大きな手で覆い、強く激しく、無遠慮に揉まれた。
「んんんっ!んぐぅ」
甘く噛まれたりまでされてしまい、声が我慢出来ない。口の端から涎が溢れて首筋を伝い落ちた。
「赤くなって可愛いね。もう既に『僕』の脚で凄いことしてくれてるって、君は気が付いているかい?」
(……何のこと?)
視線を下にやり、自身の脚を見る。彼に指摘された通り、私は自身の秘部を自ら進んで『彼』の脚に擦り付けてしまっていた。
「ほらね?」と言いながら『彼』が脚を軽く動かし、秘部を擦られる。すると、グチュッと下着の奥から音がしてしまい、私は羞恥から目をギュッと瞑った。
「思い出しちゃっているんだね、体が」
とても低い、仕事用の声で耳元で囁かれた。私がその声にめっぽう弱いと知っての悪戯だろう。
「よし、『僕』は優しいからね、直接触ってあげよう」
ソッと頰を撫でられ、首筋、胸へと段々指先が下へとおりていく。嫌だ、やめて欲しいと頭では考えているのに、体は快楽を求め、脚から徐々に力が抜けていった。