ついに言ってしまった…。
「はぁ…これから気まずくなるな…」
丸太に腰掛けながら、まだゆらゆらと燃えている焚き火を見つめる。
彼女のあの暖かさが忘れられない…。
また抱き締めたいけど、それは彼女が僕の気持ちに答えてくれた時だ。
「落ち着け僕…そんなに焦ることじゃない」
自分にそう言い聞かせ、もやもやとした心を落ち着かせる。
しかし、どうしたものか。
僕は今更ながら、自分の発言に疑問をもった。
もしも彼女が僕の気持ちに答えてくれたとしても、
僕がキラーに戻ったら、結局彼女を殺さなくてはならない…。
「意味ないじゃん」
この邪神の作り上げた世界は本当に残酷だ。
僕らは奴の手のひらで踊らされてる人形に過ぎない。
反撃する余地も与えてくれない…こんな世界潰れればいいのに。
キラーに戻って彼女と同じ儀式になったときは、いっそ拐って閉じ込めてしまおうか?
僕だけの、永遠の女神でいてくれたらいいのに…。
「はぁ…」
「なぁにしてんの?」
突然背後から声がした。
このボイスチェンジャーを使って喋る奴は…アイツしかいない。
「ゴスフェ…!」
そういった瞬間、霧が立ち込め
いつの間にか儀式をする場所になっていた。
そういえば先程彼女が、稀に二人だけで儀式を行うことがあると言っていたが…一対一の儀式はあり得るのか?
「君がキラーを辞めさせられてサバイバーになったってトラッパーから聞いてどんな顔してるのかな~って見に来たらあのザマだよ。なに?あの恋い焦がれた顔は。サバイバーに恋をするなんてこの世界じゃご法度なのは承知の上だよね?」
見てたんだ…やっぱりコイツはクズだな…。
でも確かにゴスフェの言う通り。
この世界では恋なんてものは存在しない。
恐怖と血の匂いだけだ。
「君には関係ないよ…」
僕にはそれしか言えなかった。
「ふぅん?まぁいいや。ねぇ、一つ質問。」
「な、なんだよ…」
「まだキラーに戻りたいと思う?」
「……うん…」
でもサバイバーの方がいいかもしれない…
彼女とずっといれるし…でもまだ僕は彼女の[音]を聴きたい願望がある…
それが残っている以上はキラーに戻らなくてはいけない…。
僕は葛藤していた。
「そう。実は僕、君にピッタリのゲームを用意したんだ。」
「ゲーム?」
「服装変わってるのに気づいた?」
そう言われ僕の着ていた服を見てみた。
このコート…これは…僕がキラーだったときに着ていた服だ。
「な、なんで!?」
「実はちょっと邪神に頼んで色々準備をしてもらったんだ。じゃあ早速だけど、ゲーム説明するよ」
「う、うん…」
なんだろう、ゲームって。
「ゲーム内容は、僕から5分間一度も見つからずに隠れ続けること。要はかくれんぼだね」
「…ん?」
かくれんぼ?
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