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「ぅ゙…」
敢助が右手で顔を覆う。
「敢ちゃん…?」
「敢助君…どうかしたんですか?」
「…高…明……っ」
敢助の右目から大粒の涙が溢れ出す。その様子を見て、高明が敢助の元に駆け寄った。
「敢助君!?どうしたんですか?」
「っ…ゔぅ……」
敢助は肩を震わせ、小さく呻いている。敢助の頬に、由衣の手が触れる。
「熱っ!?敢ちゃん、熱があるんじゃないの!?」
それを聞いた高明が、敢助の額に手を当てる。
「たしかに…敢助君、今日はもう帰ったほうが―」
高明がそこまで言いかけると、敢助の体が大きく揺れ、高明の方に倒れ込んだ。
「敢ちゃん?!/敢助君!」
「っ…?」
目が覚めると、敢助は自室のベッドに寝かされていた。
「やっと起きましたか…。」
頭上から高明の声が聞こえてくる。ぼんやりとした視界を声のした方に向けると、不機嫌そうな顔をした高明が座っていた。
「あなた、酷くうなされてましたよ。熱もかなりありますし。」
敢助は先程見ていた悪夢を思い出し、眉をひそめ、目をそらした。
「由衣さんから聞きましたよ。あなた、最近悪夢を見続けているそうですね。」
「…お前には関係ねぇ」
敢助はかすれた声で答える。
「……教えてください。あなたの夢の内容を。」