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-関東某所のレッスン室-
志歩はなぜか死神が見えていた。
志歩「なんで….見えてるわけ…」
と独り言を話す。
咲希はスマホを見ている志歩に話しかける。
咲希「志歩ちゃん、何見てるの?」
志歩「別に….」
「別に…」だけで話していたのだが、
穂波と咲希は幼なじみである星乃一歌は
事故でいなくなっているのは知っていて、志歩には話せなかった。
そのときだった。
レッスン室のガラスに、ふと“影”が映る。
黒いコート。
長い影。
そして、顔は見えないのに――確かに“こちらを見ている”気配。
志歩の手が、わずかに震える。
志歩(……また、いる)
視線を逸らそうとしても、どうしても気になってしまう。
息が少しずつ浅くなっていく。
咲希「志歩ちゃん?ほんとに大丈夫?」
志歩「……平気。なんでもないから」
そう言いながらも、志歩は無意識に後ずさる。
その瞬間――
ガラスに映っていた“それ”が、ゆっくりと動いた。
まるで、こちらに近づくように。
志歩「っ……!」
志歩は思わず目を閉じる。
次に目を開けたときには、もうそこには何もいなかった。
穂波「……志歩ちゃん、顔色悪いよ?今日は早めに帰る?」
志歩「……うん」
短くそう答えた。
――帰り道。
雨が、ぽつぽつと降り始める。
街灯の下、濡れたアスファルトに映る光が揺れる中、志歩は一人歩いていた。
志歩(なんで私だけ……)
そのとき。
前方の横断歩道で、ひとりの少年が立ち止まっていた。
信号は赤。
なのに、少年はゆっくりと一歩を踏み出す。
志歩「……危ない」
声をかけようとした、その瞬間。
――少年の隣に、“あいつ”が立っていた。
黒いコートの“死神”。
志歩「やめろ……」
思わず走り出す。
志歩「止まって!!」
叫び声が、雨の中に響いた。
少年が振り返る。
同時に――
クラクションの音が鳴り響いた。
キィィィィィッ!!
志歩は、少年の腕を掴み、強く引き寄せる。
二人はその場に倒れ込んだ。
ギリギリで車は止まる。
運転手「危ねぇだろ!!ちゃんと見て歩け!!」
怒鳴り声が飛ぶ中、志歩は息を切らしていた。
少年「……ありがとう、お姉ちゃん」
志歩「……別に」
ぶっきらぼうに答えながら、ふと横を見る。
そこに――
さっきの“死神”が立っていた。
そして、初めて“声”が聞こえた。
???「……運命を、変えたね」
志歩「……は?」
???「本来なら、この子はここで終わっていた」
志歩の背筋が凍る。
志歩「……あんた、何者だよ」
その問いに、“それ”はわずかに笑ったように見えた。
???「――君と同じ、“見える側”だよ」
その言葉を残して、死神は雨の中へと溶けるように消えていった。
残されたのは、激しく鳴る心臓の音だけ。
志歩「……なんなの……」
空を見上げる。
降り続く雨の向こうに、答えはまだ見えない。
神亜結花
レン🎭(二 次 創 作 垢)