「はぁ…最悪…」
まさかゴーストフェイスにメメントされるなんて…。
「お疲れ様。」
ローリーの渡してくれたコーヒーを飲む。
「ええ。時間稼ぎにはなったでしょ?」
「助かったわ。…あれ?そういえばトリックスターは?」
「ほんとだ。どこ行ったんだろ。」
ドワイトとフェンミンがそう言う。
確かに彼の姿が見当たらない…。
「多分私の部屋で寝てるんでしょ。」
そう言うと3人は納得した。
「今日は疲れたから先に寝るわ。おやすみ」
私はそういい、自分の部屋に戻った。
「ジウン?」
部屋に誰もいなかった。
「ベッドで寝てるの?」
毛布をめくっても、彼がいなかった。
「ジウン?かくれんぼしてないで出てきて?」
部屋中の隅々まで探したが、一向に彼は見つからなかった。
「ん?これは…」
机の上にボイスレコーダーが置かれていた。
「これって、ジウンの使ってた物だよね…なんでこんなところに。」
ダメ元で再生ボタンを押してみた。
『ザッザッ…』
風の音が数秒流れた後、ジウンの声が流れ出した。
『やぁ。この録音テープを聞いてるってことは、きっと僕は今頃キラーに戻っているってことだね。』
「あ…」
そっか…もう決心がついたんだ…。
ゴーストフェイスの件は大丈夫なのかな…?
『どうしてこんなことになったのか、隅々まで話そうと思う。そして一つ約束してほしいことがあるんだ。このテープを聞いた君、絶対に僕には会わないで。』
会わないでってつまり、私をゴーストフェイスから近づけさせないための彼なりの警告かな?
「お別れするタイミングがまさか儀式中だったのは残念だけど…」
私は彼の気持ちを尊重しよう。
この箱庭(せかい)では、サバイバーとキラー二つの人間にしか分けられない。
振り分けられた居場所を変えることも出来ないなら、説得することも出来ない。
それなら私はなにもすることなく、彼が自分の意思でキラーに戻るのを待つだけ。
「ちょっと寂しいけど…いつまでもくよくよしてちゃダメね。」
みんなに伝えに行こう。
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