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僕は何となく落ち着かなくなり、お酒を持って和室に入った。
「紺野くん、遥香たちが来るまでに飲み過ぎないでよ」
「わかってる」
とはいえ、目の前に大好きなお酒があれば我慢など出来るはずもなく、缶ビール1本を一気に飲み干してしまった。
あれ?
なっ‥何か変だ?
いつもと味が違うし、全くと言っていいほど酔いが回ってこない…。
まさかと思い、缶ビールを手に取って見た。
「・・・・・」
ノンアルコールビールだった。
いつの間に…‥
ブルブルブル…ブルブルブル…‥
スマホがブルっていた。
どうやらメールのようだ。
受信BOXを開いてみると遥香からだった。
《パパ…お酒は私が預かっとくね。あと15分位で到着するからそれまで待ってて。それとね…パパ、勘違いしてるから言っとくけど、私と彼はパパに許してもらうための作戦なんて練ってないからね》
「・・・・・」
遥香には全て見透かされているようだ。
遥香にしてやられた。
「紺野くん、それノンアルコールビールだけど…。もしかして遥香にやられたんでしょ?」
「そうみたい…」
「能力者ってすごいよね」
「遥香は特別です…。遥香が連れて来る男は、能力の事を知ってるんですか?」
「う~ん、どうだろう? 私も会うの初めてだし、あまり彼氏の事聞かないからわからないの…」
「遥香から能力の事を直接聞かされていなくても、一緒にいれは何となくわかるはずですよ」
僕が亜季ちゃんに対してそうだったように…。
「経験者は語るっていうやつかしら? もしかして、あっちゃんとの事を言ってる?」
「まぁ…」
「あっちゃんは葵ちゃんと違って、人前では絶対に能力は使わないし、あまり能力の事を話したがらないからわかりにくいわね」
「その通りでした。それより、もし万が一遥香の能力をその男が知らないで結婚したら、後々面倒な事になるんじゃないですかね?」
「そうね…。遥香の能力をわかってあげられる男性はそうはいないわよね。やっぱり男性は能力者みたいな強い女性よりも、守ってあげたくなるようなか弱い女性の方が好きな人が多いのかもしれない…」
「でも…もしかしたら、か弱い女性よりも強くてたくましい女性が好きな男だっているかもしれないじゃないですか!」
美咲さんに能力者の事を悪く言われたような気がして少し頭にきた。