テラーノベル
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ab.side
スタジオを出ると、夜風が少し強かった。
俺は思わず肩をすくめる。すると肩にそっと照のパーカーがのった。
iw「寒いだろ。着てろよ」
「え、照が寒くなっちゃうじゃん」
iw「俺は平気。阿部が風邪ひいたら困るし」
その言い方があまりにも自然で、胸がくすぐったくなる。
照はこういうときだけ少し強引で、でもやっぱり優しい。
歩きながら、照に話そうと思ったことを思い出した。
「今日さ、照に言われて気づいたことがあって」
iw「ん?」
「俺、頑張りすぎてるって言われるの…嫌じゃなかった」
そういったら照が立ち止まった。
街灯の下で、俺の顔をじっと見てきて。
「そりゃ…阿部のこと、ちゃんと見てるから言えるんだよ」
その言葉は、冗談でも軽口でもなくて。
逃げ場がないくらいまっすぐで優しい。
なんか恥ずかしい。俺より少し背の高い照がかっこよくて俺は視線をそらすしかなかった。
「照って、ほんとずるいよね」
iw「なんで?」
今しかない。
「そんなふうに言われたら…期待しちゃうじゃん」
俺の顔が赤いのは、寒さでもない、絶対照のせいだ
まだ胸がどきどきしてなかなか目を開けられなかったけど、
たしかに照が少し驚いたように目を見開き、
それからゆっくりと、照れたように笑った。
「期待していいよ。俺も…同じだから」
そしたら照が俺の唇にそっと触れて。
照の唇があったかい。
頬を撫でるようにちょっと冷たい風が吹いて、ふたりの距離が縮まった。
心の中でずっと抑えてきた、確かにそこにある気持ちが
夜の静けさの中でそっと形になり始めていた。
fin.
☆♪Hana♪☆
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コメント
5件
さいこうです、ありがとうございます😭
あおいです🌷 第3話、読ませていただきました。 照が阿部の肩にパーカーをかけるところから、もう好きだなって思いました。あの「ちゃんと見てるから言えるんだよ」って台詞、胸に刺さります。普段はからかうような感じなのに、急に真剣な目で言われると、そりゃ期待しちゃいますよね。夜風と街灯の下で距離が縮まるっていう空気感が、本当に繊細で美しかったです。照の「期待していいよ」の返しにも、彼なりの誠実さが伝わってきて、じんわりしました。ふたりの気持ちが静かに形になっていくラスト、とても好きです。