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ベッドには、私の方が早かった。

「まだ、食堂で皆につかまってるのかな」


私とシェナで抜けた時は、まだお酒をあおっていたから、もしかしたら今夜は飲み明かすのかな。

でも、先に戻って待っていろと、耳元でささやかれたのだから、それはないか。


「魔王さまの雄姿、かっこよかったなぁ……。まさか、あんなことになるなんて思わなかったけど」


今日は模擬戦といっても、第一王子が本物のミサイルを撃ってきたりして、緊迫した戦闘になった。

だけど魔王さまは、戦艦の相手をしながらそれを制圧して、たったお一人で全て治めてしまった。


「知らない魔法も、すごかったなぁ。空が布みたいに……」

でも、そもそもを考えてみれば、一体何のための模擬戦だったのかと……。


そうして思い返してみれば、単純に王子が、私たち魔族に攻撃したいだけだったのだろうなという結論に行きつく。


――全部最初からあいつのせいじゃん!

ともかく……魔王さまがあまりに遅いと、お話を聞く前に私が寝てしまいそうだ。



「まだかな――」


と、口に出していると魔王さまが来た。

ちょっと、酔ってるのかもしれない。

いつもは眉間にしわが寄ってるのが通常なのに、どこか朗らかで、楽しそうに見えたから。


「待たせたな。あいつら、何かと飲み明かすための口実を探してやがるから」

なかなか解放してくれなかったらしい。


上着を脱ぎ捨てながら、その瞬間にスイッチが入ったみたいにギラギラとした目で隣に座ると、獲物を見るように私と視線を合わせてきた。


「ちょ、ちょっと、こわいですよ」

「フッ。俺はいつでも優しいだろう」


――ともかく、そういう、戦いの後ということもあるからか、魔王さまの視線が痛いほど刺さっている。

胸とか腰とか、ふとももとか。



「あっ、あの、魔王さま。ちょっと、お聞きしたいことがあって」

「うん? なんだ」


たぎっている男の人を……それも魔王さまを、この状態から会話に持っていけるだろうか。

なんて考えていると、なし崩しに押し倒されそうだから、聞くしかない。

立て続けに聞いていくしかない。


「えっと……。人間を…………滅ぼさない理由って、何ですか?」

「ほぉ。お前からは珍しい質問だな、サラ。しかも、滅ぼしたがってる側の聞き方じゃないか」


そりゃあだって、魔族だというだけで、こんなに手のひら返しをされたら……さすがにちょっと腹が立つというか。


「す、すみません……。今まで庇ってきたのが、バカらしくなっちゃって……」

「そうだな……。特に理由らしい理由じゃないが。最初からこの星に居た種族のひとつだから、かな」


「えっ……それだけ……?」

「もうひとつ付け足すなら、お前と同じかもしれないが」


私と、同じ?


――そうだ、それについて聞きたいのに、今日のことを思い出していたら、だんだん人間に腹が立ってきて。

でも、この一番聞きたいことは、聞いてしまってもいいのかなと、いざとなると悩んでしまう。



「……元、人間だから……?」

「かな?」


「そうなんですね……。でも、嫌になったりしませんか」

「ハハハ。嫌も何も、元から大嫌いだ。単にタイミングの問題だろうな。それがどうにも、俺の中で合わなかった。だがまぁ、滅ぼすのはいつでも出来るし、迷いももうない。だから、次に奴らがお前に敵意を向けた時が、人間の最後だ」


「それじゃ、そのうち滅ぼす感じになりますね」

「フッ。かもしれんな」


――違う違う。この話で盛り上がりたいわけじゃないの。

聞かないと……今聞かないと、きっともう、ずっと切り出せない。


なんて迷ってる間に、魔王さまの手がすでに、肩に回ってきちゃった。

「あっ。それと、もうひとつ……」

「なんだ。まだあるのか」


――あからさまにトーンダウンしないでよぅ。

お顔は……怒ってはいないけど、じれったそうに眉がピクピクしてる。


聖女級の治癒力でも、魔族だとバレるのはよくないようです ~その聖女、魔族で魔王の嫁につき~

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