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深夜の森を歩いていると途中でリンが寒いだろうと毛布をくれた。
今はそれにくるまってる……風が当たらないだけでかなり体感温度が違うなぁ……あったかぁい。
もっとも下半身はバリバリ寒いのだが!いや、下ネタじゃないよ?
何だかんだ全然喋らないので気まずい、こちらから声かけてみよう。
「え、えとリンさん、毛布本当に暖かいよ、ありがとう」
「え!?あ、はい、その……匂いとか大丈夫ですかね?」
匂い?そんなもの男同士だから気にするなっての。
「うん!全然気にするほどでもないよ!」
「気にするほどでも……やっぱり少し臭うのか……」
あ、なんかリンがみるからに落ち込んだ。
話題を変えよう。
「リンさんは冒険者になってどれくらいなの?」
「冒険者になったのは三年前ですね」
「ほえ〜3年前?それって早いの?やっぱり資格とか必要?
「いえ、僕達の歳では普通ですよ、資格とかは無いんですけど、冒険者学校とかを卒業していると依頼を受けるときに優先的に受けれたりします」
「じゃぁ卒業生なんだ?」
「はい、僕とショウは同じクラスでした」
「いいなぁ、学校……」
はぁ……ため息は心の中でしたが、気持ちがショボーンとなる……
本当なら俺は今頃学校に行ってるはずだった……それがどうして奴隷なんてしてるんだろう……
とか思ってたら顔に出たのだろう、リンが心配してきた。
「あ、でもでも卒業してなくても大丈夫ですよ!コツコツと依頼をこなしていけば名前が売れますから!そしたら直接依頼が来たりします!だから卒業試験に落ちたとしてもなんとかなりますよ!」
リン……違う、何と間違えてるのか解らないけど“卒業出来なかった”じゃなくて“入学出来なかった”のだよ。
うん、この話は自分の心を痛めてしまうので違う話にしよう。
「それはそうと冒険者ってこんな深夜に歩く事とか多いの?」
ぶっちゃけるとちょっと眠い。
けどお荷物になってるから眠い!とははっきりと言えないからなぁ。
「え?あ、はい大体1日は寝ませんね、三日目からは集中力が切れるので寝ますが二日目は集中力次第です……あ!」
リンは寝ないことが当たり前だったのか「そうだった!」と焦りだす。
「すいません!つい癖で!確かに冒険者じゃない35番さんには辛かったですね!」
いやまって!
「いやいやいやいやいや!そう言う意味じゃないのよ!そう言うの知りたかっただけでこっちこそ無理やりついてきてるからね?僕頑張るからそっちのペースでお願い!」
「そんな訳には行きませんよ!いざって時の判断が遅れると本当に死にますからね」
「で、でも」
俺はチラリと前を行く2人を見る。
沈黙の中話していたので2人も会話を聞いてるはずだ……つまり__
「言っとくが、ここで休むなんて言わせないぞ」
ほら、やっぱり……
「ショウ……」
口は災いのもと……知らず知らずのうちに俺は地雷を踏んでるらしい。