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眠狂四郎
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コメント
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うわ、このエピソードめっちゃ熱かったですね!バッターが書類に隠された数字の謎を解いて「681452」ってコードを導き出す場面、ゾクゾクしました。あと、エルセンがまたバーント化してしまう展開、しかも最後にデーダンが出てくるとは…「ZONE」の設定がどんどん繋がってきてワクワクします。バッターの冷静な戦闘もカッコよかったです!続きが気になりますね。
バーントは、首から液体を噴き出させながら、こちらを見つめた。
バッターが構えていたバットをバーント目掛けて振り下ろすと、バーントはだらりと垂らしていた腕を思い切り振り上げ、バッターに反撃してきた。
バッターはそれをもろに食らいながらも、攻撃の勢いを逆に利用して後ろに下がると、今度はアドオンを突撃させた。
アドオンは、ドーナツ型の自身の体でバーントを締め付ける。
最初の方こそバーントはあがいていたが、少しするとその勢いも弱まり、やがて体を脱力させた。
その瞬間、バーントの首から噴き出していた黒い液体は失速していき、最後には一滴たりとも流れ出さなくなった。
バッターは、立ったままのエルセンの首無し死体を見つめながら、今度こそ上階へ移動しようとした。
すると再び体が動き出し、バッターの方を向いた。
しかし、その体は結局何かするでもなく崩れ落ち、代わりに地面に転がっていた頭部が、ぽつりとつぶやいた。
」きっと…きっとスーツが彼を操って…彼の…脳を…「
頭はそれだけ言うと、今まで出会った亡霊たちと同様に、塵になって消えてしまった。
「…妙だな」
バッターは、頭部と体があった場所をじっと見つめながらそう言った。
しかしバッターはすぐに気を取り直し、階段を昇った。
階段を上がったバッターの目に飛び込んできたのは、相変わらず積み重なった段ボールたちと、大量の横に長いテーブルだった。
バッターは一度周囲を見回した後、一番近いところにあったテーブルの上に書類が放置されているのに気付いた。
書類を持ち上げて、目を通す。
書類には奇妙な内容が記されている。
【第1版:彼らは6フィートよりも小さく、熱いメタルと液状のプラスチックに包まれている】
バッターは書類をテーブルの上に置き直すと、段ボールと段ボールの隙間を縫うようにして歩き、中央の部屋に移動した。
見た感じ、この階層もさっきと同じ3部屋から構成されているようだった。今度は道が段ボールに塞がれているなんてことはなく、どの道も通れた。
バッターは左の部屋まで移動した。
そこには、階下へ向かう階段があり、どうやらさっき段ボールで通れなかった部屋に行けるようだった。
バッターは階段を途中まで下りて部屋を見回してみた。
有用そうなものは何もないことを確認するや否や、中央の部屋へと戻って行った。
中央の部屋には、上階への階段と、先ほどの様な書類がぽつんと置かれている。
書類の元まで歩いていくと、バッターは書類に目を通した。
【第2版:彼らは8つで、長いあごひげを持っている。高みにある銀の球体から起こる出来事を監視する】
内容はそれだけだった。
バッターは上階へ移動した。
上階に行くと、部屋の反対側にあるテーブルの上にまたもや書類が置かれているのが見えた。
書類の元まで移動していき、バッターはまたもやそれに目を落とす。
【第3版:ある巨大な昆虫の一個体は、その大あごから肉を吐き出す】
バッターは書類を置いた。
その時、背後から気配を感じ、バッターは振り返った。
するとそこにはバーントと化したエルセンがおり、バッターの肩を掴んで自分の後ろの机に向かってぶん投げた。
バッターはテーブルと衝突しながらアドオンを突撃させて体当たりを食らわせると、自分も起き上がって腹に強力な一撃をお見舞いしてやった。
バーントは倒れ、そしてそのまま消えていった。頭が近くになかったため、話すことはできなかったようだ。
バッターは、頬を伝っていた少量の血を手の甲で拭った。
今度は、左側の部屋に移動してみた。
その部屋には、書類が一枚と、上階への階段が置いてあるのが目に入った。
バッターはそちらに向かうことにした。
テーブルと段ボールを避けて、書類のあるテーブルへとたどり着く。
【第4版:彼らは4つで、それぞれが違うエレメントに属すると考えられている。彼らは各々のクリスタルを守護している】
書類にはそう記されていた。
バッターは今まで通り書類をテーブルに戻し、一度引き返して右の部屋に入ってみた。そこには、上階への階段があった。
試しに上ってみると、長机と書類が一つだけ置かれた空間にたどり着いた。段ボールのせいでその奥に行くことはできなかったが、壁の向こうからエルセンのものらしきため息が聞こえてきた。
バッターは書類に目を通すことにした。
【第5版:5本、まるで手から生えた指の様だ。彼らはその肺から、原初の煙を吐き出す】
相変わらず頓珍漢なことが書かれている書類を机に置き直すと、バッターは階下へと降りた。
それから左の部屋に戻り、上階への階段を改めて上った。
上階は段ボールだらけだったため次の部屋に移動すると、そこには一人のエルセンと書類。そして、エレベーターがそれぞれ一つずつある。
バッターは、エルセンに話を聞こうと近寄った。
しかし、目の前のエルセンには、どこかおかしなところがあった。
バッターを視界に入れても驚かず、こちらに何の言葉も投げかけない。
バットに手を掛けながら、バッターはそのエルセンに話しかけた。
「うぅ……うー………秘密のエレベーターに近づくことは、うう……禁じられています…」
バッターは、エルセンから視線を外し、エレベーターの方を見た。
するとエルセンは、バッターとエレベーターを尋常ではない速度で2度見てから、少し荒々しく言った。
「…ひ、秘密って言いましたよね?」
「通してくれ」
恐らく、この上に何か重要なものがあるのだろう。
バッターとしては、それを確かめずにおいそれと引き下がることはできなかった。
「…え、あー…。…ダメです。あー…それは、うー……無理だと思います。……でももし、あなた、あー……あなた…コードはご存じですか? 6桁の数字を…えー、知っていれば、エレベーターへ入ることを許可できるはず、です」
「……コード? …ちょっと待ってくれ」
エルセンの問いかけに、バッターは頭を捻った。
今まで通って来た階層に、彼の問いかけるコードなんてあっただろうか?
過去の出来事を思い出してみるが、6つの数字はどこにもなかったはずだ。
バッターは大人しくエルセンから離れ、一度書類に目を通すことにした。
【第6版(最終):秘められたゾーンにあるのは、ただ2つだけ】
「……6版、だと?」
バッターは書類を食い入るように見つめた。
そういえば、今までの階層で見かけた書類の数は、合計で6つだったはずだ。
バッターは駆け足で階段をいくつも下りると、一つ目の書類から順番に目を通して、そして気が付いた。
第1版には、6。2版には8。と言ったように、それぞれの書類に一つずつ、数字が割り当てられている。
そして、書類の数は合計6つ。
何度かバーント達による襲撃に遭いつつ最上階に戻って来たバッターは、もう一度エルセンに話しかけた。
「ええと…コード、は…」
「ああ。681452だ」
「こ、コード…あ、合ってます、ね。完璧です…。……ど…どうやって…?」
エルセンはバッターを見つめた。
バッターも、エルセンも見つめる。
二つの視線が交差したその瞬間、バッターは初めてそのことに気が付いた。
エルセンの両の目から、黒い液体がびちゃびちゃと滴っているのだ。
異変に気付いたバッターが後ろに下がろうとすると、エルセンは腕を大きく伸ばして、バッターの肩を掴んで引き寄せると、絶叫した。
」こ…ここは通せません! 僕は…僕はまだ……死にたくないんだ!「
瞬間、エルセンの顔面はやはり吹っ飛び、中から黒い液体がびちゃびちゃとこぼれ出してきた。
「…お前もか」
そう呟いてから数拍後、バーントの腕がバッターの腹を捉えた。
しかしバッターは、うめき声は上げつつも冷静さだけは欠かなかった。
腹を殴られながら、逆にバーントの股間を蹴り上げる。
バーントが怯んだ隙に、バッターは拘束を振り払い、数歩後ろへ下がった。
そしてバットを構え、今度はお返しとばかりに、バーントの腹へフルスイングをぶっ放した。
そんなバッターが、バーントのよろめきを見逃す道理はなく、すかさずもう一発体の側面にぶち込んでやると、バーントの体は、先ほどまでエルセンが座っていた椅子の上に崩れ落ちた。
」アルマに…行けたら……「
やはりと言うべきか、傍に落ちていたエルセンの顔面が再び口を開いた。
」……すてきだろうな…「
言い終えると同時に、彼の体は溶けるように消えてしまった。
代わりにエレベーターからは、かちり。という音が聞こえてきた。鍵でもかかっていたのだろうか。
バッターは、バーントの体があった方を見向きもせずにエレベーターへ乗り込んだ。
エレベーターは、そのままバッターを上階へと運んだ。
バッターがエレベーターから降りると、そこは小さな小部屋の様になっていて、そのさらに奥に大仰なデスクと、大量の亡霊たち。そして、それに囲まれている巨大な人影があった。
バッターが部屋に駆け込むと、人影が言葉を話した。
「救いようの無ェマヌケどもめ! 失せろ!」
人影はそう言いながら、亡霊を思い切りぶん殴った。
殴られた亡霊は、壁に叩きつけられ、そのまま塵となって消えていく。
かくいうバッターは、部屋に入ってすぐに気が付いた。
粗暴な口調、白衣とズボンのみというファッション。異形な顔。
間違いない。彼は、ペンテルのメタル工場で見た監督官、デーダンだ。