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◇◇◇◇◇
やはりモニカさんがいると、少し移動速度が落ちるが、難なくスライムくん発見!
今回は、3匹でレベル1のみだった。
これで行きますか。
とりあえず、2匹軽く狩る。瞬殺!
「モニカさん、レベル1のスライム1匹です。」
「わかりました。行きます!」
このとき、ユメたちもモニカもスライムに対する認識に大きな誤解があった。
油断。
あまりにも、ユメたちが、瞬殺してしまうがために。
モニカが剣で斬りかかったが、剣が無傷で弾かれた。
あれ?スライムってそんなに硬いの?
もう一度、さらに振りかぶって、斬りつけたが、無傷で大きく弾かれた。
そして、その空いた胴に間髪入れずに体当たりされたモニカさんは、ものすごい勢いで、吹っ飛んでいった。これは、マズイ!
「ハガネさん、スライムを!」
僕は、モニカさんのところに。
かなりの重症だ。
「カグヤ様!状態わかりますか?」
「なんとも言えんが、命に別状はなさそうやな。ただ、身体中が骨折しとるさかいに、このままやったら、起きた時に激痛が来るやろう。
うちらでは、どうしようもないから、戻った方がいい。」
「はい、すぐに帰ります。」
カグヤ様号にモニカさんを乗せて、僕はそういえば、もらったヒールポーションがあるのを思い出して、モニカさんの口の中に無理矢理飲ませた。
HPは全快したみたいやけど、見た目では、よくわからない。
街について、冒険者ギルドに向かった。そして、支部長室にいきなり入った。
「ソフィアさん!
すいません、モニカさんが重症です。」
「そこに寝かせてくれ。」
「おーい、だれか治癒士を連れてきてくれ!」
その間、事の経緯をソフィアさんに話す。
「わかった。ユメたちが悪い訳じゃない。
むしろ、適切に処置してくれてありがとう。
多かれ少なかれ、こうなると思って行かせたんだ。生きていてくれてよかったよ。」
治癒士が来て治療してもらった。HPはすでに回復していたので、やはり、命の危険はないということで、代わりに薬士の人に来てもらい、骨折部の固定と薬草でできた、いわゆる湿布のようなものを貼ってもらった。
元の生活に戻るためには、3ヶ月くらいかかるとのこと。
その間は、ギルドの仕事もお休みになる。
やっぱり、冒険者って、難しいんだな。
僕が言うのはおかしいけど。
ソフィアさんから言われて、モニカさんを自分の部屋に運ぶのを手伝って、今、モニカさんの部屋にいる。
実はモニカさんは、ソフィアさんの家に10歳から住んでいるんだそうだ。
ソフィアさんも心配そうだ。
モニカさんがようやく気がついた。
「あ、全身が痛い……。
ソフィアさん、ユメさん。
私は……生きてるんですね。
あれから、どうなったんですか?」
「スライムの体当たりで、気絶しました。
命に別状はないですが、身体中骨折していますので、回復には時間がかかると思います。
安静にしてください。
あと、本当にすいません。
もっと注意して行動すべきでした。
甘く考えてしまって、本当に生きていてくれてよかったです。
あと、言いにくいのですが、冒険者は、諦めてください。
本当にすいません……。」
しばらくの間、沈黙が流れたが、モニカさんが語り始めた。
「ご迷惑をお掛けして本当に申し訳ありませんでした……。
本当はわかってたんです。
もう今からじゃ遅いってこと。
でも、どうしても諦められなくって、自分を騙して。」
モニカさんは、必死で堪えようとしているが、目には涙が止めどなく溢れて、流れていく。嗚咽がどんどん激しさを増してゆく。
「でも、今回、ユメさんに連れていってもらったことで、ようやく理解できました。
私、キッパリと諦める決心がつきました。
ホントに感謝じでまず。
う゛ーーーーーーーー。」
この感覚はわかる。
痛いほどわかる。
でも、僕にはどうすることも出来ない。
ソフィアさんも、モニカさんも、ものすごい号泣。
釣られて、僕たちも号泣が止まりません。
重い空気のまま、もうこれ以上なにも言えず、ソフィアさんも一旦ギルドに戻ると言う事なので、僕たちも、あとはお手伝いさんに任せて帰ることにした。
◇◇◇◇◇