第2章「仄暗い願い」その3
「それでは、ホームルーム終了。解散!」
その言葉と同時に、しんと静まり返っていた教室がざわつき始める。そんな中、片付けを終えた修介は肩掛け鞄を 斜 ななめに掛け、教室を出ようとした。
「ゴンー! 今日どうすんだ?」
修介がスライドドアを抜けると、後ろから筒井(つつい)透(とおる)が追いかけてきた。
「あー、悪い。ちょっと用事がある」
「あ、権堂くん!」
修介が振り返りながら答えた直後、また別方向から声が聞こえた。後ろを向いていた顔がぐりんっ、と声がしたほうへ引き寄せられる。
そこにいたのは、鞄を背負った姫乃だった。吹き抜けを囲うガラスの壁に寄りかかる姿は、誰かを待っているという感じだ。
「綾咲さん……俺を待ってたの?」
「うん! 今日うちホームルームすぐ終わったから……相棒のお迎えでっす!」
ぴっ、と敬礼してみせる姫乃のなんとかわいいこ**************
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