この作品はいかがでしたか?
41
この作品はいかがでしたか?
41
こんにちは主です
いきなりお邪魔します
あ、注意です(?)
・暴力表現アリ。苦手な方は見ない方がいいかも
大丈夫って人は見てって!
────
─────
────────えっと……
…………夢…だろうけど……
……………………
昔の……俺?
真っ暗だな、この部屋。
今は昼の3時らしいし。カーテンも締め切ってる。
ガラス瓶が何本もあって酒臭い部屋。
───思い出したくもない、昔の家。
「……………!」
手が震える。昔の記憶が蘇る。
だいたい10歳の頃の自分。
痣だらけの腕にボロボロの服。
瓶の欠片が腕に刺さって、少し血も出てる。
泣いても泣いても、誰も助けてくれない。
みんな知らんぷりして、離れていく。
「────ただいま〜」
聞き慣れた女の声。
母さんだ。昔の母さんだ。
昔の俺は、ビクビクと震え親指の爪を噛んだ。
泣いてる。そうだよね、怖いよね。
「………あ、お前まだ生きてんの」
「……!やだっ……やめて母さ───痛いっ…!」
昔の俺は必死に抵抗した。
必死に抵抗しても、弱りきった体は大人に勝てなかった。
母さんは何回も俺の頭を殴る。
俺は泣きながら何回も謝る。
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。
痛い、痛いよ、痛いよ。
「ごめんなさい……!お母さんごめんなさい…!だから許してよ……!!」
「うるさい!!喋るんじゃないよ!!!」
そう言って、母さんは更に強く俺を殴っていた。
そして、母さんはガラス瓶を両手に持って俺を殴る。
バン、バリッ、ガシャン。
部屋に響くガラスの音。俺は抵抗をやめた。
ただ頭を抱えて耐えるだけ。もうすぐ終わるから。
「……あ、もうすぐ時間じゃん」
そう言うと、母さんは手を止めた。
3時半から母さんは、彼氏と会いに家を開けるから。
さっきは多分、パチンコから戻った帰りだろう。
「じゃ、行ってくるから。適当にテレビでも見てれば?」
そう言って、母さんはテレビをつける。
俺はまだ頭を抱えて泣いている。
『天皇賞・春、注目のウマ娘たちの紹介です』
「……!?」
突然流れた聞き慣れない音にびっくりしたのか、俺は泣きながらテレビを見ていた。
「じゃ、アタシ、彼とデート行ってくるから。さっさと死んでれば?」
「っ!痛いっ……!」
母さんは右手に持ってたリモコンを俺に投げると、ドアを勢いよく閉じて、家から出ていった。
「………うぅっ……うわぁぁ…」
「!どうしたの……!?」
俺は突然泣き出した昔の俺を見た。
昔の俺は俺を泣きながら見て不思議そうに言った。
「………お兄ちゃん、誰……?」
「……………えっと」
え……見えるの?
漫画とかだと見えないのが普通でしょ?
「………僕のこと分かる?」
「うん……」
意味が分からず、とりあえず頷いた。
だって昔の自分だもん。分かるに決まってる。
「…………じゃあ、10年後の僕は幸せ?」
そう聞かれた。重い質問。
そうだよね。幸せを知らない男の子は幸せになりたいよね。
「……うん。凄く幸せだよ……!好きな女の子もできて………今は会えないかもしれないけど………自分がやりたい職業に就いて……幸せだよ!」
少し大袈裟に答えた。
少し泣いてたと思う。
夢はここで終わった。
でも、自分がなにかを思い出してるのがわかった。
ずっとずっと、忘れてた物を。
ファンファーレが鳴り、他のウマ娘がゲートに入り始める。
今日は5番人気。伏兵……みたいな感じだろうね
『さぁ、最後に一番人気のコールドブラデッドがゲートイン。出走の準備が整いました』
実況がそう言うと隣のゲートにコールドブラデッドが入った。
「…………」
『さぁ誰が栄光を手にするのか!クラシック一冠目、皐月賞!』
実況はそう言う。
僕は姿勢を低くしてスタートの準備をした。
『今、スタートしました!!』
ガシャコンとゲートが開いて、ウマ娘たちが一斉にゲートを飛び出した。
『少しバラバラっとしたスタート!最初はオクシデントフォーが前に出ました!』
「…………予想通り……」
クラシック初戦のレース。みんな経験が少ないから、ゲートで遅れるウマ娘も出てくるだろうし、何よりオクシデントフォーは逃げだ。それなりにスタートも上手い。
「───前にっ……!!」
「………!?」
隣で一人のウマ娘が動いた。
────コールドブラデッド。
『おおっと!?コールドブラデッドも前に出た!内に切り込んでくるコールドブラデッド!』
最悪だ。早速計画が崩れた。
きっと、僕の末脚ではコールドブラデッドの末脚に追いつかないと思ったから、コールドブラデッドより前に行ってしまえばいいと思ったのに、前に逃げた。しかも大逃げ。
「…………クソッ…」
無理だ。あんなに速いスピード、追いつけない。
追いつけたって、僕に逃げは向いてない。
僕は仕方なく最後方についた。
『さぁ早くも先頭争い!コールドブラデッドがまさかの大逃げ!予想外の展開です!』
大観衆がどよめく。
嫌だな……集中できない。
一回目のホームストレッチに別れを告げ、レースは1コーナーから2コーナーに向かう。
『前2人が逃げていますが、後続がカメラに映りません!本当にこれでよかったのか、コールドブラデッド!!』
前の2人だけが向正面に入った。先頭から僕まで10バ身以上。追いつけるかな、少し不安になる。
『さぁ向正面に入りまして、依然逃げる2人オクシデントフォーとコールドブラデッド!僅かにオクシデントフォーが前に出たか!?先頭から大きく離されて、三番手にはエドヒガン、ブリーズドローンと続きまして、半バ身離れリボンエチュード、ダルマティアンが上がってきたか!そして───』
レースはやや早いラップを刻んで、3コーナに向かう。
僕は動いた。内を突いて上がる。
『おっと!最後方ユリノテイオー!内を突いて上がっていく!!レースは第3コーナーから第4コーナーへ!!さぁコース取りは大変注目です!』
みんな外に広がってる。
内は荒れてる。とても走れそうにない。
外に持ち出すか?
─────いや。
ルドルフさんは言ってたじゃないか。
『内を取れ。少々走りにくいがな』
そういうことね……!
『さぁ内を取ったオクシデントフォーが粘るが、白い髪をなびかせてユリノテイオー内から一気に上がってきたぁ!!』
やっぱり荒れてる。走りにくい……。
でも、ここ取って先頭に立てば多分……!
『外からエドヒガンが伸びてくるが、抜け出したのはユリノテイオー!内から一気にユリノテイオー!!荒れたバ場もなんのその!ユリノテイオー先頭だ!コールドブラデッドも襲って来るが、届かない!届かない!差を広げた!ユリノテイオー!!』
抜け出す。抜け出した。
先頭は僕だ、まだ余力がある。
『再加速!もう追いつけない!追う必要もない!!』
大観衆がざわめく。
そりゃそうだよね。無名のウマ娘がいきなり───
『黒い前髪が光って、最初にゴールに飛び込んだのはユリノテイオー!!一番人気コールドブラデッドは3着に敗れた!!!』
今回はいつもの3倍くらい書いた!
いろんなの詰め込んだからよく分からん(´・ω・`)
やっと皐月賞書けた〜!
レース書くの楽しいけど難しい!
それじゃ!ばいなら〜
コメント
1件
元ネタは2012年皐月賞です! ちなみに「」が会話っていうかそういうやつで 『』が実況とかテレビの音です!