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こんにちは主です

いきなりお邪魔します

あ、注意です(?)


・暴力表現アリ。苦手な方は見ない方がいいかも


大丈夫って人は見てって!




────

─────

────────えっと……


…………夢…だろうけど……

……………………

昔の……俺?


真っ暗だな、この部屋。

今は昼の3時らしいし。カーテンも締め切ってる。

ガラス瓶が何本もあって酒臭い部屋。


───思い出したくもない、昔の家。




「……………!」


手が震える。昔の記憶が蘇る。

だいたい10歳の頃の自分。

痣だらけの腕にボロボロの服。

瓶の欠片が腕に刺さって、少し血も出てる。

泣いても泣いても、誰も助けてくれない。

みんな知らんぷりして、離れていく。


「────ただいま〜」


聞き慣れた女の声。

母さんだ。昔の母さんだ。

昔の俺は、ビクビクと震え親指の爪を噛んだ。

泣いてる。そうだよね、怖いよね。


「………あ、お前まだ生きてんの」

「……!やだっ……やめて母さ───痛いっ…!」


昔の俺は必死に抵抗した。

必死に抵抗しても、弱りきった体は大人に勝てなかった。

母さんは何回も俺の頭を殴る。

俺は泣きながら何回も謝る。

ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。

痛い、痛いよ、痛いよ。


「ごめんなさい……!お母さんごめんなさい…!だから許してよ……!!」

「うるさい!!喋るんじゃないよ!!!」


そう言って、母さんは更に強く俺を殴っていた。

そして、母さんはガラス瓶を両手に持って俺を殴る。

バン、バリッ、ガシャン。

部屋に響くガラスの音。俺は抵抗をやめた。

ただ頭を抱えて耐えるだけ。もうすぐ終わるから。


「……あ、もうすぐ時間じゃん」


そう言うと、母さんは手を止めた。

3時半から母さんは、彼氏と会いに家を開けるから。

さっきは多分、パチンコから戻った帰りだろう。


「じゃ、行ってくるから。適当にテレビでも見てれば?」


そう言って、母さんはテレビをつける。

俺はまだ頭を抱えて泣いている。


『天皇賞・春、注目のウマ娘たちの紹介です』

「……!?」


突然流れた聞き慣れない音にびっくりしたのか、俺は泣きながらテレビを見ていた。


「じゃ、アタシ、彼とデート行ってくるから。さっさと死んでれば?」

「っ!痛いっ……!」


母さんは右手に持ってたリモコンを俺に投げると、ドアを勢いよく閉じて、家から出ていった。


「………うぅっ……うわぁぁ…」

「!どうしたの……!?」


俺は突然泣き出した昔の俺を見た。

昔の俺は俺を泣きながら見て不思議そうに言った。


「………お兄ちゃん、誰……?」




「……………えっと」


え……見えるの?

漫画とかだと見えないのが普通でしょ?


「………僕のこと分かる?」

「うん……」


意味が分からず、とりあえず頷いた。

だって昔の自分だもん。分かるに決まってる。


「…………じゃあ、10年後の僕は幸せ?」


そう聞かれた。重い質問。

そうだよね。幸せを知らない男の子は幸せになりたいよね。


「……うん。凄く幸せだよ……!好きな女の子もできて………今は会えないかもしれないけど………自分がやりたい職業に就いて……幸せだよ!」


少し大袈裟に答えた。

少し泣いてたと思う。

夢はここで終わった。

でも、自分がなにかを思い出してるのがわかった。

ずっとずっと、忘れてた物を。




ファンファーレが鳴り、他のウマ娘がゲートに入り始める。

今日は5番人気。伏兵……みたいな感じだろうね


『さぁ、最後に一番人気のコールドブラデッドがゲートイン。出走の準備が整いました』


実況がそう言うと隣のゲートにコールドブラデッドが入った。


「…………」

『さぁ誰が栄光を手にするのか!クラシック一冠目、皐月賞!』


実況はそう言う。

僕は姿勢を低くしてスタートの準備をした。


『今、スタートしました!!』


ガシャコンとゲートが開いて、ウマ娘たちが一斉にゲートを飛び出した。


『少しバラバラっとしたスタート!最初はオクシデントフォーが前に出ました!』

「…………予想通り……」


クラシック初戦のレース。みんな経験が少ないから、ゲートで遅れるウマ娘も出てくるだろうし、何よりオクシデントフォーは逃げだ。それなりにスタートも上手い。


「───前にっ……!!」

「………!?」


隣で一人のウマ娘が動いた。

────コールドブラデッド。


『おおっと!?コールドブラデッドも前に出た!内に切り込んでくるコールドブラデッド!』


最悪だ。早速計画が崩れた。

きっと、僕の末脚ではコールドブラデッドの末脚に追いつかないと思ったから、コールドブラデッドより前に行ってしまえばいいと思ったのに、前に逃げた。しかも大逃げ。


「…………クソッ…」


無理だ。あんなに速いスピード、追いつけない。

追いつけたって、僕に逃げは向いてない。

僕は仕方なく最後方についた。


『さぁ早くも先頭争い!コールドブラデッドがまさかの大逃げ!予想外の展開です!』


大観衆がどよめく。

嫌だな……集中できない。

一回目のホームストレッチに別れを告げ、レースは1コーナーから2コーナーに向かう。


『前2人が逃げていますが、後続がカメラに映りません!本当にこれでよかったのか、コールドブラデッド!!』


前の2人だけが向正面に入った。先頭から僕まで10バ身以上。追いつけるかな、少し不安になる。


『さぁ向正面に入りまして、依然逃げる2人オクシデントフォーとコールドブラデッド!僅かにオクシデントフォーが前に出たか!?先頭から大きく離されて、三番手にはエドヒガン、ブリーズドローンと続きまして、半バ身離れリボンエチュード、ダルマティアンが上がってきたか!そして───』


レースはやや早いラップを刻んで、3コーナに向かう。

僕は動いた。内を突いて上がる。


『おっと!最後方ユリノテイオー!内を突いて上がっていく!!レースは第3コーナーから第4コーナーへ!!さぁコース取りは大変注目です!』


みんな外に広がってる。

内は荒れてる。とても走れそうにない。

外に持ち出すか?

─────いや。

ルドルフさんは言ってたじゃないか。


『内を取れ。少々走りにくいがな』


そういうことね……!




『さぁ内を取ったオクシデントフォーが粘るが、白い髪をなびかせてユリノテイオー内から一気に上がってきたぁ!!』


やっぱり荒れてる。走りにくい……。

でも、ここ取って先頭に立てば多分……!


『外からエドヒガンが伸びてくるが、抜け出したのはユリノテイオー!内から一気にユリノテイオー!!荒れたバ場もなんのその!ユリノテイオー先頭だ!コールドブラデッドも襲って来るが、届かない!届かない!差を広げた!ユリノテイオー!!』


抜け出す。抜け出した。

先頭は僕だ、まだ余力がある。


『再加速!もう追いつけない!追う必要もない!!』


大観衆がざわめく。

そりゃそうだよね。無名のウマ娘がいきなり───


『黒い前髪が光って、最初にゴールに飛び込んだのはユリノテイオー!!一番人気コールドブラデッドは3着に敗れた!!!』




皐月賞を勝っちゃうんだから。




今回はいつもの3倍くらい書いた!

いろんなの詰め込んだからよく分からん(´・ω・`)

やっと皐月賞書けた〜!

レース書くの楽しいけど難しい!


それじゃ!ばいなら〜

白の花の花言葉 【ノベル】

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