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4 - 2話 駅前の工事

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2026年01月21日

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2話 駅前の工事


駅前は、
今日も工事中だった。




薄手のコートの袖をまくり、


少し古い腕時計を左につけている。


文字盤は細かく、


時間だけはやけに正確だ。




髪は短めで、


寝ぐせが残らないように整えられている。


靴は歩きやすさ重視で、


つま先に小さな擦れ。




仮囲いの向こうから、


機械音が一定の間隔で響く。


止まらない。


乱れない。




掲示板には、


工事期間 未定


理由 調整中




それだけが貼られている。




作業員は数人いるが、


急ぐ様子はない。


休憩も、


開始と終了がきっちり揃う。




駅の改札は、


通常運転。




通勤の流れは崩れず、


人は避けるように、


自然に歩線を変える。




端末を確認すると、


遅延通知は出ていない。


不便ではあるが、


支障はない。




フェンスの内側を見る。




地面は掘られているが、


深くはない。


危険そうな箇所は、


最初から無いように整えられている。




注意書きは丁寧で、


語尾がやけにやさしい。




安全にご利用ください


日常を優先しています




そんな一文が、


視界の端に残る。




誰に向けた言葉なのか、


分からない。




昼休み、


工事音は続いていた。


夕方も、


同じリズム。




帰る頃、


掲示板はそのまま。




未定。


調整中。




明日もきっと、


工事中。




そう思うと、


なぜか安心して、


改札を抜けた。

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